11/5のしゅちょう 文は田島薫
(東大の授業料免除制度について)
東大が、来年度から親の年収400万円以下の学部生の授業料を無条件でタダにす
ることにしたそうだ。
これまでは免除額の合計を授業料収入の5.8%としていた国の基準に従っていた
んだけど、それだと、収入がいくらだと免除になるのか入学後も審査まで決まら
なかったので、低収入者は安心して受験できなかったのだ。
欧米先進国では、大学の授業料免除の特待生制度が充実していて、学生の大部分
が普通になんらかの免除待遇を受けていると聞いた。
それにくらべ、わが国では、そんな制度はほんとに一部の例外的な利用者に特定
されてる感がいなめないばかりか、どんな理屈でそうなったのか訳がわからない
スピードで膨大な数の二流三流新設大学が次々認可されつつ、授業料がどんどん
野放しに値上げされて来た。
ただでさえ受験生が減る傾向にあるのに、勉強はしないが金だけは持ってる、っ
ていった層が増えたからか、私立大学に限らず国立大学まで右にならえで、本当
に勉強したいのに金のない者たちはどんどん受験できにくくなってるわけだから、
国なり大学は当然、なんとかしなけりゃいけなかったのだ。
さすがの東大、今度の英断の、公平な教育制度へ向けた志しの高さを誉めたい。
もちろん東大に入れる頭脳は別格だから、三流大学のことはほっといても、少し
ましな大学すべてが同じ制度を広げるべきだ。
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