●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃん、歌手デビューだす。


楽しかったという感想

この夏に30代半ばにして舞台女優デビューを果たした私。(大げさ)

この週末は、歌手デビューを果たした。(コレも大げさ)

結婚式で初めてゴスペルを歌わせてもらったのだ。


今まで、結婚式で歌ったのは仲良しの友達の披露宴で、新婦の友人全員で森高千里さ

んの「私がオバサンになっても」の替え歌で「コイツがオバサンになっても」だった。

新婦である仲良しの友達は、高砂で真っ赤になって笑いをこらえ、初めてお会いした

新郎は最初ア然としていたが、歌が進むにつれて笑ってくれた。主賓席にいた酔っ払

いのオヤジたちは最初っからゲラゲラ笑っていた。

それから10年余り経ち、私たちもけっこうなオバサンになったが、彼女たちは可愛い

ジュニアにも恵まれてまだ離婚していないので、ちゃんと歌を聴いてくれていたんだ

と思う。


今回は、ゴスペル仲間と一緒に歌った。

私以外の人たちは、何度か結婚式やライブで歌ったりしているのでみんな余裕だった

が、私はなんせ初めてなので、行きの車中と控え室に待機している間はずっと楽譜を

手放せなかった。

控え室で待機している間、みんなでちょこっと練習して会場に向かった。

音楽が始まり、緊張するかと思ったらみんながリズムに乗って手拍子を始めたので、

逆に楽しくなってきた。小学校の合唱のような横揺れのリズムではなく、それぞれの

体のリズム感でリズムをとっている。

私はちょいちょい間違えたり、音程が合っているかも分からないくらいだったが、花

嫁さんも花婿さんも笑顔でいて幸せそうだった。招かれたお客さんたちも一緒に手拍

子をしてくれて盛り上がった。お笑い芸人さんたちが、よく「笑いの神様が降りてき

てくれた」と言うが、なんだかそんな感じだった。

終わったあと、ゴスペル仲間のひとりから「初デビューだね。どうだった?」と聞か

れ、「とても楽しかったです!」と答えた。


ぜんぜん知らない人たちの前で初めて、その人たちのために歌ったこと。

緊張するかと思ったのに、逆にほどよい緊張感を持って楽しく歌っている自分にびっ

くりした。そして「どうもありがとう」と言われて、幸せのおすそ分けまでいただい

た。


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