7/23の日記          文は田島薫


河合隼雄さんとよさこい

臨床心理学者の河合隼雄さんが亡くなった、って記事が新聞に出てて、あんなに

元気で、後20年ぐらいは生きそうな感じだったのに、文化庁長官のようなつまん

ない仕事を引き受けちゃったせいで命縮めたのかも知れないけど、ま、人っても

んはいつ死ぬかはわからんもんだ、って、だから、きょうと今を大事にしよー。

池田晶子さんといい、齋藤茂太さんといい、ここんとこ愛読してた人たちが相次

いで亡くなっちゃうもんで、私に読まれてる人は気をつけた方がいいのかも、で、

え〜と、今読んでる人はね〜、ってそんなわけないだろっ。


翌日ぐらいの新聞に、梅原猛さんが弔辞文を書いてたんだけど、河合さんの業績

を讃えるよりも自分の業績を讃えてるような印象の文だったから、梅原さん、な

かなかオチャメな人だ。それに、河合さんがユング研究から入ったってことから

か、もっと生きてれば、ユングに匹敵するぐらいの心理学を打ち立てられたはず

だから志し半ばで無念だったろう、ってありがちな結びをしてたんだけど、河合

さんの業績、著作はすでに、遥かにユングを超えてる、ってことを梅原さんは知

らないらしい。


いつものように、午後、本返しに図書館に行くと、ちょうどその前の大通りで、

数年前から毎夏の1日行われているよさこい祭り、その踊りのグループがたむろ

してて、向こうから大音響のよさこいロック音頭、と行った感じの音とかけ声が

聞こえるんで、図書館済んでから、そっち歩いて行って、踊りをひとグループ、

見物した後、次の年輩の女性たちのスローな踊りを後目にしながら帰った。

しかし、このよさこい踊り、衣裳が、どのグループのもカラフルで、日本の色っ

てよりも、韓国、東南アジアのそれのようで、だんだん、日本人も、無意識にそ

の文化のルーツへの先祖還りをしてるのかも知れない。


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