●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

神出鬼没たえちゃん、今回はサーカスだす。


木下大サーカス

おそらく、25年以上ぶりに木下大サーカスを見に行った。

子供の頃、何度か見に行ったことがある。一番印象に残っているのは、大きな鉄の網の球

体で、バイクがビュンビュン走るもの。小学生の確か低学年だったから、面白いというよ

りも爆音の方が怖くて迷惑だった。あとは馬がウンコしたところ。開催期間中に再度足を

運んだ時、一緒に行った親戚の子に「ここで馬がウンコするんだよ!」と見どころを熱く

教えたのだが、しなかった。あとで考えてみれば当たり前だ。毎回いつも同じタイミング

でなどしない。

懐かしい思いで会場に着いた。大きなテントに入り、席に座った。平日の午前中だったの

で、あんまり混んでいなかった。「ローマはパンとサーカスで滅んだ」ということわざが

頭に浮かんだ。平日の午前中に、っていうのが少し気が引けたのだ。

いやー、美しいパフォーマンスのオンパレードだった。絶対に機会体操部出身のメンバー

だろうと確信した。外国人のパフォーマーはおそらくロシア人であろう。でっかい時計の

針に、ネズミの車輪がついたような器材をグングンまわしてのパフォーマンスは、怖いけ

ど面白そうだった。縄跳びをしたり、スキップをしたり。素晴らしいものだと感心した。

動物の芸。よく訓練されている。もしここで暴れたらどうしようかと、勝手な心配をして

いたがぜんぜん無事だった。一番安心して見られたのは、ワンコちゃんだった。バイクが

ビュンビュンは楽しめた。少々大人になったからだろうか。前に座っていたオバハンは耳

をふさいでいたが、私はいちいち「おー!」と感動していた。あんな中で時速何キロだし

ているんだろう?ライダーすごい。スポンサーはSUZUKI。いいぞ、夢があるぞ、ス

ズキ。最後は空中ブランコ。最近は芸能人の隠し芸でも見るようになったが、この人たち

が指導してくれているんだろうかと、どうでもいいお節介な考えをした。


・・・とここまで書いて、なんだか理屈っぽく見ているのぅー・・・と思った。もっと無

邪気に楽しんだらいいじゃないか。たまにこういうの見て心の垢を落とすのに、心の垢に

気がついて帰ってきちゃったよ。


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