手作り舞台に出演して
山形市が毎年主催する「山形平和劇場」の朗読・劇に出演した。市民の手作り舞台による
平和へのアプローチ、ということで一般公募なのだ。私は今年ド素人でありながらキャス
トとして仲間に加えてもらった。
地元の作家さんの戦争にまつわる小説を山形弁で演じる。年齢層は20代から70代とと
ても幅が広い。キャストはもちろん山形市民なのだが、なかには庄内地方(山形県の日本
海側)で生まれ育った人や、遠く鹿児島で生まれ育ってお嫁に来た人もいて、「うー、山
形弁ってむずがしいずねー!」と立派な山形弁で言いながら頭を悩ませていた。青森出身
で転勤で山形に来たばっかりの人も参加していて「山形弁の単語の意味がわがんね」と津
軽弁で言っていたので、みんなで意味を教えたりしていた。
春から稽古を続け、いよいよ本番を迎えた。
緊張もしていたが、どちらかというと、みんなで家族みたいにして稽古を積んできたんだ
よね、っていう信頼の気持ちの方が大きかった。ものすごくちゃんと深呼吸をして、舞台
へあがった。
舞台の上では、立っている足がガクガクしていた。台本落としそうだよとか、前の人の朗
読、早く終わんないかなー、早くしないと自分のところ忘れちゃいそうだよ、って雑念が
湧いた。演技の場面では、て・に・を・は、に気をつけた。でも、昼夜2回公演とも無事
に終えることができた。
お客さんの中には、ハンカチで目頭を押さえている人もいた。主演した人に「あんた、良
かったよ!」と声をかけてくれるお客さんもいた。夫のおばあちゃんも来てくれて「戦争
の時のこと、思い出したなぁ。」と言ってくれた。ハーモニカを吹いてくれたおじいちゃ
んもいた。お客さんは総勢1000人。戦争が終わって60年以上経つが、何年経とうと、
意義についていろいろな意見があろうと、戦争によって普通の人たちが傷ついたり悲しい
思いをしたのは事実。今の生活が幸せであるからこそ、忘れられない事実。
打ち上げで酒を飲んだ。本番日は朝からほとんど飲まず食わずだったので、これまでにな
いほどビールがすんごく美味しく感じた。スタッフもキャストも大きな仕事が終わったの
でみんな晴れやかだった。 |