●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

たえちゃん、父親の法事を飲み会として楽しんでます。


父の三回忌

先日、身内で行なった。

あいにくの雨で、ホンネはめんどくさかった。

朝、母の実家の祖母を迎えに行ったら「今朝ちょっと具合悪くなってよー。あいつ、オレば

引っ張る気だが。」と父をネタにブラックジョークを放っていた。うちの祖父はあまりに高

齢なので出席せず、デイサービスに行くことになっていた。老人クラブ、と言っており風呂

にも入れてもらえるし、いろいろな人と話ができるので、いつも楽しみにしている。今回は

「オレ、老人クラブで忙しいから法事になんかかまっていられない。」とコレまた冗談を言

いながら出掛けて行った。

このたびは足のシビレをうまく交わし、そつなくお寺参りを終えた。今年は、知り合いの料

亭へ行った。

山形市の中心街の裏手には、ちょっとした飲み屋さんや料亭がひしめく小路がある。場末な

雰囲気のところと、ちょっとした上品な雰囲気のところとの両方の感じがあるように思う。

あまりにも大人な雰囲気のところなので、あんまり裏手の方までは飲みに行ったことが無い

地域。

こぢんまりとした料亭。なかなか親切で小ぎれいなところ。しとしと雨が降っていたので、

さらに日本的な感じが良い。お料理もおいしかった。メインの「鯉の甘煮」は山形の郷土料

理になるのかな。冠婚葬祭の必須アイテム。それに「くじら汁」。イルカの皮と脂肪の部分

を薄く切ったものと、じゃがいもやなすなどの夏野菜を一緒に煮た汁物。地域によって味噌

と醤油に分かれるらしい。匂いがきついので好き嫌いは分かれるが、とっても高級な夏のお

づげ(汁物)なんだ。

今年は運転手をしなくて済んだので、たくさんビールを飲んだ。夫の前にあったビール瓶は、

いつの間にか私の前にすり寄ってきていた。グラスが小さすぎるので、何回も注いでもらっ

た。

家に戻っても、雨はしとしと降り続いていた。

何にもできないので、ずーっと本を読んで居眠りをしたり、また本を読んだりして粛々と過

ごした。


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