6/25の日記 文は田島薫
同じような日曜日
いつも休日は家にいて、新聞、テレビ、ギターに読書、発泡酒とショーチュー、
食事も毎日、納豆、大衆魚、野菜てんこもりの味噌汁、っておんなじよーなもん
ばっかり食ってるのに、飽きないのはなぜだろう。
テレビのグルメ番組で、なんだかわけのわからないこった料理を、ワ、オイシー、
などと、言ってるタレントたちは全員嘘をついてる、って私は信じて疑わず、大
体、日本人ってものは、昔から、ご飯と味噌汁が大ご馳走、ってことになってる
んだ、って、テレビに向かって文句言ったりして、傍から見ると貧しい頑固オヤ
ジが暑さにやられてうわ言言ってるように見えるかも知れないけど、昔、グルメ
本を書いてた食評論家が毎日腕自慢のレストランを食べ歩き、どこのは味がドー
ノコーノ、こっちのには星3つ上げていいぐらいスバラシー、などと書いてたり
するんだけど、自宅では、いつもご飯にかつお節と油揚げ入りの大根おろし、こ
れが実にうまい、って言ってて、本論の料理批評よりも、そっちの方が私も実に
共感するし、彼の方もそっちが本音だろう、って、思うわけなのだ。
河合隼雄、柳田邦男、鈴木大拙、映画音楽のここんとこ同じような本の読み残し
をこなしてから、図書館に返しに行って来て、新聞の読み残しをこなし、その場
運動してから、風呂、同じようなメニューの夕食と発泡酒、食後はいつもと同じ
にピーナッツつまみにショーチュー飲みながら、悩み出版社の悩み聞いたり、考
え事したり、ギター練習したり、居眠りしたり。
テレビでマイルスデビスのことについてやってたんで、見てみたら、若い日本人
ミュージシャンが、本に出てるような話を解説してるだけでさほど目新しい情報
はなかったんだけど、いつも新しい音を追求していたマイルスを意識するだけで
気持がうれしくなった。
私も傍からは同じような生活してるようにしか見えなくても、実は常に新しいも
のを見つけたり、つくり出す実験や思索を重ねているから、決して退屈すること
がないのだ、って言っておこう、って思いながら居眠りをしたのだった。