1/15の主張             文は田島薫



(憲法改正について2)

昨日テレビを見てたら、憲法9条改正について、ジャーナリストの櫻井よしこ

さんに加え、朝日新聞の論説委員まで、賛成だ、って言ってたので、あきれた。


彼らには彼らの考え方や意見があるのだろうが、改正賛成者たちに共通する部

分は、日本憲法が、戦後、米国によっておしつけられたもので、軍隊である自

衛隊がそれをごまかしながら、憲法を強引に拡大解釈しながら、海外派遣して

いる現状は不自然で、時代にそぐわなくなって来てるのだから、自国の憲法を

自国で改正するのは当り前のことだ、ってことのようだ。


で、けっきょく、自衛隊は軍隊ということに確定して、自衛隊の海外派遣や、

武力行使についても憲法とすっきり整合性を持たせたい、ってことになるわけ

なのだろう。

もちろん、それについても、彼らの言い分は、戦争を肯定するわけではなく、

戦争放棄はそのまま、ただ、敵国からの攻撃についての自衛権を現実的に有効

なものとして保証することが目的だ、って言うわけで、それについて、個別自

衛権だけでなく、盟友である米国が攻撃を受けた時にも、わが国が受けたと同

じように、軍事反撃できる集団的自衛権も認めるべきだ、ってことにエスカレ

ートして行きつつあるのだ。


米国と日本が「正しい国」で、もし敵国が攻めて来た時のためだけの法律だか

ら心配はない、って、その理屈だけ聞くと、そうかも知れないな、って考えて

しまうおっちょこちょいの人々が多くいるんだけど、冷静によく考えてみれば、

米国が敵視する北朝鮮やイランにとっては自国が「正しい国」で、米国の方が

「悪の国」だし、常にイラクで発揮したように、勝手な理屈での独断攻撃をす

る可能性が高いわけだから、それにただ追従してるだけのわが国が、いくら、

自衛のためだ、って言ったって、そんなのは世界じゅうの国で言ってることで、

それでもそういう国同士の戦闘が起ってるわけだし、もっとも危ない米国との

関係強化の中でそれをしたら、米国の共犯国になるのは目に見えていて、平和

を手放してしまうことになるのだ。


米国を敵視する国の立場にも立って、米国に一方的に追従することに、「世界

的視野での公平性」はあるのかよく考えて、我田引水的理屈だけで憲法改正に

賛成すべきでないだろう。

もっとも、改正論者の黒幕は「世界的視野での公平性」など眼中にないのだか

ら、余計だまされないように気をつけよう。




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