12/17のしゅちょう             文は田島薫


(金持ちについて)

日本は格差社会で金持ちはより金持ちに貧乏人はますます貧乏になってる、

って私も言ってるんだけど、実感としてわかってる人は両極端の少数だけ

で、ほとんどの人は自分のことだとはあまり感じてないのかも知れない。

貧乏人もなんとか安い食品買って飢えないで済んでたり、金持ってる方の

人も自分の生活にそれほど余裕があると感じていなかったり。


それは多分人の欲望のレベルってものは相対的なもんだし、とりあえず、

空腹が満たされると、だれでも一安心ってところがあったり、何か物を手

に入れても、次はもっといいものを、って切りがなかったり。


欧米には金持ちがいるけど、日本には本当の金持ちはいない、って言われ

るわけは、割合誰彼なくきっちり徴収する相続税などの税制などで、財産

の保持がしにくいところがあるためで、そういった意味では公平性の高い

社会だと言えるかも知れないんだけど、そのためか、欧米や中東にみられ

る貧民救済支援や文化支援(メセナ)のように本来の金持ちの持つ社会貢

献的意識が過去の日本にはあったはずなのに、今や、じり貧状態のように

なってる感じ、お、メセナか、って思うとしっかり利益を見込んでる。


公平性の高い社会だ、って意識もあって、なお自分の企業や個人でできる

範囲で社会貢献できないか、って考えられたら、それこそ欧米の金持ちの

意識さえ超える、と言えるのに、その大事な意識抜きでただ金だけ人より

稼ぎたい、って小金持ちばかりが増殖してるようだ。

個人も意識が育ってないのに、ただ金儲けばかりに励むもんで、切りない

欲望に溺れるだけ、豪邸や別荘立てて車や飛行機や不動産買って、どうだ、

金持ってるだろう、って誇示するだけ。

もっとも、欧米の大金持ちはそんなものさんざん買っても使い切れない、

ってことで、仕方なく社会貢献も名誉か、って資金出したりするって形も

多いんだろうけど。

とにかく、日本の金持は貧乏人根性が抜けない者ばかりなんだから、見て

て小賢しくて恥ずかしい。

困った人々にぱーっと配って散財するぐらいの大人物よ出て来い、って。




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