8/6の日記 文は田島薫
キリコの日曜日
土曜日曜と、朝から2階の居間の温度は34度超えてたもんで、こりゃいかん、って、
きょうはエアコン入れて家で過ごそう、って思った。(いつも家じゃんか)
しかし、図書館で借りた本を返しに行かなくちゃならないんで、早めにそうしよう、
って出かけたんだけど、一番暑い午後2時過ぎ、道を歩いてる人はだれもいない。
住宅街をせみが鳴いてる庭木やアパートのベランダに目をやりながら、どうでもい
いだろうに、人の気配を探しながら自転車で走るんだけど、家にも人がいないよう
な感じ、ちょうど、デ・キリコの人気のない夢の街の絵のよう。
車庫前でいつもつまらなそうに繋がれてて、こっちが目をやっても、こっちに目を
合わせようとしない毛の長い犬は、きょうは車庫の扉が開いて、中の日陰に入れて
もらって少しうれしそうな表情だ。
図書館に着くと、外はあんなにだれもいなそうに見えたのに、冷房の効いたそこは
親子連れなどの人々がうそのように溢れていた。
本を数冊とビデオコーナー見たら、見てなかったヴェンダース作品と、ハリウッド
映画の「フィッシャーマンキング」があったんで借りた。
今週はレンタルビデオ店のサービスデイなんで借りようと思ってたんだけど、図書
館で2本借りたら、もうそっちはいいか、って、タダだし、って。
夜、ショーチューを飲みながら、「フィッシャーマンキング」を見た。
見てると、こりゃ前に見てるな、って感じたんだけど、大分忘れていて、けっこう
新鮮に見られたから、物忘れの得意な私はこういう時得なのだ(だれも、うらやま
しくないだろーな〜)。
友人の映画監督が引き合いに出してたりしたこともあり、けっきょく意識して見直
したんだけど、この女優がアマンダ・プラマーだったか〜、って、ロビン・ウイリ
アムスとの見合いシーンは前に見た時と同じにまた大笑い。
この映画は実はハリウッドの持つ愛の部分を徹底して見せた名作だったのだ。