4/2の主張             文は田島薫



(ゆとり教育批判について)

先週の朝日新聞では桜井女史が「ゆとり教育」に対し、子供の教育時間を増や

さないと国際競争に日本は負ける、って主張してて、例えばある生物の種類が

何千あるのに、2〜3種類を覚えればいい、ってことを引き合いに出して批判し

てたんだけど、それだと結局詰め込み教育を肯定してるわけなのだ。

でも、それを読んでて、彼女の主張、って国際競争というよりも、国内の受験

競争の範囲での判断にしか受け取れないのだ、なぜなら、日本の児童教育の現

場での一番の問題点は、子供の勉学意欲や動機の低さだ、って教育専門の学者

が統計を出して訴えていたのを読んだことがある。


後進国の子供が将来の大きな目標をかかげ猛勉強する、って話は良く伝えられ

るんだけど、日本でもそういった目標や動機を持った子供はほっといてもどん

どん自分から勉強するものなのだけど、大部分の子供は自分からやるのではな

くみんながやるもんで、「競争」に負けたくない、ってことで、自らの勉学に

対する本質的な意欲は「無し」で、いやいややってるのだ。

それでも、やってれば結果オーライじゃないか、って意見だと、桜井女史と同

じになるんだろうけど、結局いわば企業のダンピング競争のように、そのがん

ばる実態そのものには必然性も価値もなくて、ただ「差違をつける」だけのた

めの「馬鹿知識」の詰め込み、ってことになってるのだ。

それが納得できない方は大学受験の問題集見ていただきたい、難しくてほとん

ど理解不能のものばかりだし、統べてがそうではないんだろうけど、あらゆる

教科にそれの本質的な骨組みを問うているのではなくて、些末な知識の記憶を

証明させている傾向がわかるはずだ。


日本一の東京大学でさえ、学力世界ランキングで数十位、だってことは、桜井

さんの主張するように児童教育現場での詰め込みの量が足りないから、ってこ

とでは、全くの短絡判断なのだ。




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