9/25の日記 文は田島薫
秋晴れの午後の散歩
新聞読んで、テレビ見て、ギター弾いて、いつもと代わり映えしない休日、天気も
いいんだし、ちょっと散歩に出かけようか、って珍しく悩み出版社の提案で、午後
の日射しの中、帽子をかぶって出かけた。
もう何十年も住んでる街なんで、別にどうといった物珍しいものがあるわけじゃな
く、ひたすら、外気を感じながら、体を動かすことを味わう、ってテーマだった。
坂が多く、地形的にはけっこうおもしろい場所だと思うんだけど、昔にくらべりゃ、
林や木々が減り新しいアパートや住宅が密集してきた景色は味気ない。
1回ぐらいは新しい住宅をあれこれ批評して歩くのもおもしろかったけど、2回めに
見てももう関心はなくなるし、飽きてしまう。
最寄りの駅のひとつとなり、40年前に新しく駅ができるまで、もともとはそっちが
最寄りの駅だったんだけど、途中の公園でひと休みしたり、古本屋の前で立ち止ま
ったりしながら、30分ぐらいかけてそれの中心街まで歩いて行った。
着いてみると、おー、たまたま月に一度の古本市をやっていて、前回来た時にもや
ってたから、われわれはいつもうまい具合に出逢うようだ。
中沢新一が紹介してた仏教の本探してみたんだけど、なくて、文庫の斎藤茂吉と文
庫のヨブ記があったので買った。
悩み出版社がボロになってきた私のTシャツやチノパンの新しいのを買った方がい
いってすすめるんで、若者向けの店入ってみると、形がどれもスリムなもんが主流
なのか、だめで、スーパーに入ってみても、やっぱり同じだったんでやめて、とく
に盛り上がったようなおもしろいこともないままぐずぐず歩いて帰って来た。
風呂入って、発泡酒飲んだら、やっぱり家が一番だ、って感じた、たいした外出し
たわけじゃないのに、思いっきり出無精の私なのであった。