9/25の主張 文は田島薫
(データ主義の落とし穴について)
市民みんなが記者だ、って謳った韓国発のネットサイト、「オーマイニュース」が
鳥越俊太郎を編集長に迎えて日本でもスタートした。
だれでも記者登録すれば記事を発信することができ、記事にひとことコメントだけ
つけたい人はオピニオン会員登録っていうのもある。
で、安倍さんが進めようとしている集団的自衛権について、アフガンやイラクへの
理不尽な独断攻撃を行い、現在はイランや北朝鮮にも敵視政策を続けている米国と
軍事行動を共にする方向へ行く危険性を指摘している西野さんという記者の、真っ
当な意見記事に対して、48ものコメントが寄せられ、その9割以上が、記事のソース
が毎日新聞のみからのものだ、って批判していて、じゃ、それを書いてる当人はど
んな独自のデータにもとづいて書いてるか、っていうと、だって、ひとことオピニ
オンだから、って逃げがあるせいか、口ほどのもんでもないのに、高みに立ったほ
とんど品のない足ざまの物言い。
多分それを書いてるオピニオンは自分ではいろいろ調べる努力はしているのだろう
けど、国際問題に関してのデータについて一般市民が調べられる限界はだれにだっ
てあることに気がつかなければいけないのに、自分が得た些末なデータに頼って、
結局、国際情勢全体の状況判断を過っているのだ。
米国発の報道に飲み込まれていることへの自覚が全くないまま、悪の枢軸である北
朝鮮からテポドンが飛んで来たらどうするんだ、って、被害者の可能性からのみの
データ分析に終始し、現在進行形の米国による加害者の立場や、日本がそれと同じ
加害者の立場になる可能性は全然見えてない様子だ。
それとも、わが国だけ安全が守られれば、他国に理不尽な被害をおよぼしてもかま
わない、って考えてるのかな、あのオピニオン連中は。
取材記事書くのもいいけど、大局的な視点からの意見を交わしあうことの方がもっ
と大事なことじゃないかな。
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