10/23の主張             文は田島薫



(ヒステリック正当論について)

なんだかこのごろは、それほど政治通にも見えない芸能記者のような人物から、一般

の、ただ自分の給料の上がることだけが主な関心といったように見えるサラリーマン

とかフリーターのような若者まで、北朝鮮のような対象を見つけて、こりゃ、どんど

ん批判できる相手だと、ばかに張り切ってる風潮を感じる。


先日もそんな意見に酔ってる記者の男のラジオ番組録音らしいものを聞いた。

問題になった以外の建物にも耐震偽装があったと訴えていたイーホームズの藤田社長、

それを知っていた国土交通省がそれを無視、といったなかなかの報告ぐらいまではい

いんだけど、ちょっと調子に乗って、北朝鮮の核実験についても、たとえ話にして、

町内会に薬中の男が来て油まいてライターで火をつけようとしてるのを、どうする、

町内会の議題にとりいれる?それともまるごしのおまわりさん呼ぶ?などと、米国が

韓国や日本にミサイルつきの軍隊置いてることを考えれば、北朝鮮に対してとても不

平等で、一方的糾弾だということに気がつかないばかりか、すでに周辺事態なんだか

ら集団的自衛権を発動できる憲法改正は当然なのだ、などと短絡発言していた。


確かに国民を飢えさせて軍備に金を回し、覚醒剤、偽煙草、偽ドルの輸出、拉致、と

来れば、だれかが悪の国だって言えば、そりゃ、すぐにそうだ、って同調したくなる

気持はわかる、しかし、世界中どんな国だって乱暴な時代はあったのだ。

わが国だって、中国侵攻以降、兵隊に十分な食料さえ与えず、彼らに「現地」での略

奪や餓死を余儀なくさせた事実があるのだし、貧しさでどうにもならない時は、力づ

くでやることも時には仕方ないことなのだ、法律上だって、緊急避難、っていって情

状酌量の理由にもなるのだ。

国際社会としては貧しい国がそういった無理な政治をしないで済むように十分な食料

援助なり、経済援助なりすることをメイン外交にすべきなのであって、緊急避難の政

権を、単純に悪と決めつけ、スキがあれば中枢を攻撃して政権打倒しよう、などと考

えるべきではないのだ。

軍部を主体に組み立てた国だって、米国のような国があるために、それは緊急避難の

必要性でやったのだし、軍人たちだって、生活のために不本意でなってる市民たちな

だから、軍人が10万人死んでも仕方ない、などと軽薄な意見に同調してはいけない、

そういった方向性に行った場合の方がわれわれの頭上にに核ミサイルが飛んで来る可

能性が増えるだろう。




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