酩酊放談 文は上一朝(しゃんかずとも)
発言欄のどうにも書かないN先生のピンチヒッターがレギュラーに、
事情通シャンさんが独立コラムに栄転!
久々登場のセンセイ、新内閣の料理できる日を楽しみに待ってました。
女間諜 K
安部新内閣が無事発足してめでたいかぎりである。いつものごとく、論功行賞内閣、勝ち
組内閣、仲良し内閣など等、と新聞紙は書きたてているが、酩酊子は仲良し内閣とおなじ
ようだがサークル内閣と命名する。
その心は、大学も三年になると気の合った仲間とサークルを作りたくなる。しかし、自分
達だけでは先輩が怖い。そこで四年生のおとなしそうな人間(久間防衛庁長官)を仲間に
いれ、上座に据えておく。それでもまだ、教授会(官僚組織)が心配なのでOB(的場官
房副長官)に無理をいって顧問をお願いする。要は自分達だけではなにひとつできないの
で旧態の手を借りるという情けないサークルになってしまった。
情けないといえば、首相補佐官というものを定員いっぱいの五人も揃えた。この補佐官と
いう制度は各省庁の大臣と権限において軋轢を生じるので議員内閣制にはなじまない。
なかでも目立つのは、もと電話屋の手代で広報の仕事をしていた世耕補佐官だ。広報担当
補佐官として総理に代わって定時記者会見にも臨むそうだ。カタカナ語であふれた所信表
明演説にも彼の浅知恵が入っているのではないか。
世耕弘成は小泉内閣で大活躍をしたが、もともとお祭り好きな小泉総代のこと、うまく神
輿に乗ってくれたし、飯島という辣腕の宮頭がいたので実力の何倍もの成果をあげること
ができた。さて、こんどはどうだろう。祖父さんと親父のこと以外はなにごともはっきり
しない安部総代を神輿に乗せてうまく担げるだろうか。飯島秘書官に代わる人間のうわさ
も聞かないが…。さて、この先どうなることやら。
もう一人は小池百合子。アメリカの真似をして、国家安全保障会議(NSC)のようなも
のを作るそうな。国家安全保障担当補佐官。国家の安全を担うなんともかっこいい肩書き
だ。ゆくゆくは日本版CIAも作るとか。スパイの本場地中海沿岸のカイロ大学を卒業し
た彼女がスパイの親玉になるという。あの色気?で女間諜Kと呼ばれ、外務省、防衛庁、
警察庁はもとより世界をあいてに丁々発止とやってくれたらこんな楽しいことはない。
悪口ばかりではない。人事の妙もある。高市早苗というケバケバしくも姦しい議員を、沖
縄・北方、イノベーション(技術革新)、科学技術政策、少子化・男女共同参画、食品安
全担当というなにをやるのかわからない特命相に任命したことである。
かなりのベテランでもひとつの省庁で成果を上げるのは大変なことなのに、関連をもたな
い五つの部門の特命相である。なにができるというのだろう。
ここが安部総理の人事の妙である。「貴女はうるさいだけだから何もしないでいいよ」と
いうメッセージが込められている。国民はたまったものではないが、これで高市早苗に借
りを返した彼もなかなか抜け目がない男だ。