10/16の日記          文は田島薫


三丁目の夕日

金曜の夜は、バンドメンバーのハルさんが私の自宅のそばの実家に来てたもんで、

電話があり遊びに来たい、って私が発泡酒飲んでるところに、さらに発泡酒の大を

半ダースもってやって来たんで、2人でそれを全部飲んでから、新しいウィスキー

ボトルを開けて半分ほど飲んだら翌日はプチ二日酔いになった。


だもんで、土曜日は発泡酒1本だけにして、リンゴジュースとお菓子食べながら、

レンタルのサービスデーで借りて来ていた「Always 三丁目の夕日」のビデオを画

面の真ん前に行って、腹ばいになって見た。


CGを駆使した映像は賛否両論の評価を耳にしてたけど、内容をけなしてるのは聞

いた憶えがないんで期待していたら、期待通りかそれ以上の出来だと感じた。

故意に芝居がかった人情劇に仕立ててるんだけど、ある意味フィクションを約束事

にしましたよ、って言ってるCGのニュアンスが演技を自然に見せてるかのようで、

5〜60年代の雰囲気も、私が埼玉で育った頃のイメージが喚起されて、すーっと画

面に気持が入りこむことができ、思わず泣きそうになると、となりで一緒に見てる

悩み出版社が待ち構えてて、うれしそーに顔をのぞきこんで来るんで、おっとっと、

と踏み止まるのに大変だった。

やー、子役の吉行淳之介(フィクションとみられる)役の演技も大したもんだった

し、吉岡青年のクサイ演技もうまくなったもんだな〜。

パロディの作りで私を泣きそうにさせられたなんて、なかなかの名作だ、きっと。


東京の都心で育った年上の友人はより細部まで憶えているせいと、元カメラマンっ

てこともあり、見方がよりシビアーになるらしく、そのCGとのズレや大雑把さの

ようなところが気になって、気持を入れることができなかった、って聞いていたん

で、やっぱり、知らないってことの幸せ、ってあるな〜、って思った。


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