5/22の日記 文は田島薫
春の嵐と読書土曜は図書館で借りた本の読み残しをやっつけてから、3時ごろ返しに行ったんだけど、
その時はもう、空はかー、っと真夏のように暑く、青天だった。
図書館の後、食料の買い込みを済ませて帰って来ると、急激に、雲行きが激しくなって
来て、いきなり大雨と大風の大嵐になった。
タッチの差でずぶ濡れをまぬがれ、よかったな〜、って思う気分も手伝って、小気味い
いほどの天候の激変に、ちょっとうれしくなり、2階の居間のガラス戸を開けて、しば
らく雨しぶき浴びながら嵐見物した。
さほど長い時間は続かないだろうとは思っていたけど、その通りだった。
終わっちゃったか、って、深呼吸して戸を閉めた(って書くと、ずっとガラス戸開け放
しで見てたようで、ワイルドなイメージで、受けるかな、って思ったんだけど、ほんと
は、開けてすぐ閉め、またちょっと開けてては、閉め、って、小心者方式だった)。
風呂入って出てから、いつものように、昔友人が置かせておいてくれって持ち込んだアップライトピアノで湯上がりのエチュードと名付けたでたらめアドリブを弾き、パンツ
をはいてから、発泡酒を飲んだ。
夜はテレビ見てエレキギター弾いてから、プロデューサーの尾形さんが前回のホームページの歌の更新の後、いっしょに帰る電車の中で自分が読み返していた松本清張の「岸
田劉生晩景」を読むことすすめられて借りたやつを読んだ。
藤沢周平の書いた一茶の評伝もそうだったけど、天才と言われたような人物の、俗な部
分をことさら強調して、見ようによっては悪口ともとれるような表現が全体の主題にな
ってる印象で、藤沢周平にしても松本清張にしても、人間くささのおもしろさに意識と
主題を集中させたために、少し強引な作品評価をしたりして、彼らの芸術の本質的な部
分をちょっと軽視したり見落とししてるような印象を受けたんだけど、巻末の針生一郎
の解説は、もちろん販売促進のための解説だからってこともあるだろうし、さすがに大
人で、私のような露骨な感想を言わず、…といった見方をしてるようだ、ってかわし、
批判的なことを書くことはしてなかったのが印象的だった。