今週の雑感(昔のもありの) 文はさぬがゆたか
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
感動もあり、そーでもないのもあり、で、謙虚にタイトルは雑感のまま。
『 ちょいワルおやじ 』
なんだか流行っているらしい。つうか本当はもう流行っていないし、もし使ってる場合居酒屋の
おっさんダジャレか、やっと気がついた本当の田舎モンぐらいだべ。
そんなわけで使ってみることにした。
先日、幼馴染みの男が朝もはよからやって来た。蕎麦家をやっていて休業日でもないのに
おかしいし、珍しく横しま模様のシャツなんかも着ている。
男 「うイ〜ッス!」
私 「何がうイ〜ッス!だあ 葬式でもあったんか?」
男 「てッ! 休みだ休み! や す み!」
私 「店 とうとう潰れたか?」
男 「はあ〜?あのボケ女、この前の親戚への見舞金がよ、やれ少ないだの失礼だの
何だの!って朝からボヤき続きでよ、面白くねえから言ってやったんだ!」
「おお〜っ 人が仕込み中だってのにブツクサ言いやがって新聞なんか読んでねえで
手伝え!まったくやる気なくすぜ!今日は休みだ休み!! や す み!!」
「んでよ、そしたらあのボケが言いやがるんだ、まったくよ●@×&$#%〜><○$&#*
¥@×&$#%〜><○$&#*・・・・・・・・以下同文
そんなわけで男は長居しそうだし、満足に仕事も出来そうもないからウップン払いにどこかに
出掛けようってことになった。大の大人が遊ぶには、まだ昼だし田舎だしどうしようもない。
なんでか我々はパチンコもやらないし飲酒運転もやらない。ナニもやらない。
俺 「どうするよ?」
男 「う〜ん、ちょっと遠いけど気になる懐石蕎麦家があるんだよな。ニラ蕎麦もやってるし!」
ってことで北に向かった。かつての日光への街道杉並み木をガタピシャ言いながら走った。
高速のインターの近くらしいってだけで、その店を探すことしばし。午後にその日の
蕎麦がなくなったら閉店!って聞いているのに、もう3時近いじゃないっすか。
水田の田植え用ポンプの調整をしているようなおじさんにまで場所を聞いても、もう
分からない。もうダメ。ゴルフ漫画で有名な鹿沼カンツリー倶楽部を横目にあきらめつつ
我々は帰る方向にした。
昼前にその話しが出た時から、腹の中ではすでに「ニラ蕎麦喰いたいニラ蕎麦喰いたい」だけに
なっていた自分はすこぶる機嫌が悪くなった。何時間もかけてこのザマだ。
男 「どうするよ?腹減ったろ?何がいい?」
私 「カレーだな!カレー!カレーがいいな!」
もう何でもいい、半ばやけくそのカレーだ。無口になった車は延々と腹がたつような新緑の
田舎道を走り続け、ちょっとでもキッカケがあれば言いたいことがワンサカ喉までだった。
結局なんてこったす!仕事をさぼっても粋な蕎麦でもツルリとやるはずが、要望通りに
古都栃木市内の松屋でカレーを食べた。女優の山口智子さん実家近くの松屋でカレー。
いつも首からぶらさげたカメラに、今日は何一枚映っていないまま。
で、家まであと少しってあたりで出た話がね、なあんでか季節の食、ボクが好きなものの
中のひとつフキの煮付けや酢みそになったのよ。 そりゃビックリした。
彼は県道を走っていた車を急停車し今度は急バック、右折し民家集落めがけるんだわ。
「ホレホレ〜ッ わんさかフキが出てるよ〜」
まるで漫画のような話しだけど、県道を走りながら100メートルも離れた民家の裏側斜面に
生えるフキを見ていた。運転席から飛び出しあっというまにナイフでフキひと束を刈ってきて
しまい、助手席にほうり込んだ。それ逃げろ!
「ビールのつまみに旨いぞオ〜!」ってわけで、田舎のちょいワルおやじの日だった。