5/29の日記          文は田島薫



デジャブの休日

土曜は、いつものように、エレキギターの練習してると、夕方、玄関のチャイムが鳴り、

小雨の中、自転車に乗って将棋対戦希望Sが泡盛の3.5合びん持ってやって来て、その後、

悩み徹底温存出版社が電車乗ってビール券持ってやって来た。

それで、さっそく将棋の駒を並べるSにしぶしぶつき合ってた私は出版社にタッチした。

ふたりに風呂すすめ、なんか食わせてから、発泡酒と泡盛飲みながらまた将棋広げるS

に出版社を押し付けて、ギター弾いたり、新聞読んだり有意義なことしようと思ってん

だけど、けっきょく、そばでやってる将棋の方に目が行っちゃって、気がつくと、私は

初心者の出版社の指し手になんだかんだと口をはさんだりしていて、けっこう酔っぱら

ってたのだった。


翌日は遅く起き、テレビ見て、みんなで遅いブランチを食べた後、Sは、さて、と言っ

てから、また将棋を広げ出したのを、ほっとくと、出版社の方に無理矢理対戦させはじ

めたので、やー、出版社がいて助かったな〜、って、フコウそうな顔付きの出版者を、

他人事にして、喜んで、新聞読んだり、ギター練習したりし始めたんだけど、気がつく

と、中腰になって、盤をのぞき込み、あれこれ口出し、しまいには自分で指していた。


またたく間に日がひと回りし、私の日曜の決まりの、その場運動をやった後、風呂入っ

て、出て来るまで、また出版社は対戦させられていた。

ふた晩将棋はかんべんだな、って思いながら、Sに今晩も酒飲むか?って聞くと、サイ

ワイなことに、大学の論文を書かなくちやならないし、帰る、って言うので、私は、そ

んなの後でいいじゃないか、飲もうぜ、って、言うわけ全然なく、そーか!、って弾ん

だ声を上げた。


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