今週の雑感(昔のもありの)              文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
感動もあり、そーでもないのもあり、で、謙虚にタイトルは雑感のまま。



『  田  舎  大  戦  争  』


霜柱でガチガチだった地面がふんわり緩んでやっとこさの春がやってきた。桜だ花見だ新緑だと

ワーワー騒いでいたと思ったら、もうゲコゲコ鳴き騒ぐ蛙の季節になってきちゃう。

12等分の月日の流れが愉快に感じる時もあれば焦りや苛立ちの不安な日々も遠慮なし。

この数年、いい気になって庭の隅っこに伸ばし放題にしていた樹にも、近所の庭木名人じいさん曰く

「こりゃおめえ、伸ばしたらてえへんだべ!だいだい何のたしにもなんねえし・・」

元々植えたつもりもないんだけど、いつの間にか伸び放題だし秋になれば落ち葉三昧。

「何の役にもならない樹木」って言葉がポツンと残ってね、何かの勢いでバッサリ枝を降ろした。

それでもまた残った図太い幹からチョロチョロと新葉が出る。だからそのつど図鑑で調べてみたり

するけど確かに銘木じゃない。でももし銘木になるにしてもその頃まで自分が持たないし。

芝生にしても「管理」っていう言葉があるくらい大変だって分かったのは、越してから数年後だったし

地面の奥深くまで浸透しちゃうような除草剤を撒くのは御法度で、いちいち雑草を抜いたりしていた。

どうして過去形なのかと言うと、一時期はジョージアのオーガスタじゃないかと思えるほどに綺麗な

グリーンに仕上がって、ゴルフの腕前もアプローチだけは名人級?って冷やかされる頃もあったのだ。

それがそれが、自転車を転がしていたまでは良かった息子が、やがて車の運転免許を取りどでかい

ミニバンを乗り上げるようになってしまった。それからは見るも無惨で草を抜いても抜いても、その

タイヤがどこからか種を持ち込んで来〜るじゃありませんか。そんなわけで今は闘い疲れ荒涼とした

ミニガーデンパーキングになり下がった。トホホなのであります。

そりゃ雑草だって自分から雑草って言っているワケなくて、なんとなくデザインが一般的に受けない

だけで派手な花も咲かせない、それがウケが悪いだけなんだろうしね。案外相当な底力を持って

いるかも知れないはず。手間がかからないでただ繁殖するってのも魅力じゃないんだろか?

そんな自分も今まで何本購入したか分からない鎌や、便利雑草抜きグッズははかり知れないんだけど

先日はとうとう最新ウエポンの鋼入り高級鎌をこの夏の為に仕入れた。スパッ!と切れ味のいい鎌で

挑んでみようと思うし、エバーグリーンな芝生で夏を迎えたいんよ。

んで、今度は蟻が出てくる。大きな被害は出てないけど地道に穴を開けてくるから、一気にホースで

水攻めをすることもある。最悪アリ退治液も売っているのでその覚悟もある。

イライラさせてくれる厄介王なのがハエ。飛行能力・反射能力共々人をバカにすることロナウジーニョ

(サッカーブラジル代表)にも匹敵するくらい凄い。彼らの何百倍以上の大きさの自分がアナログなハエ

叩きを持って部屋中を走り廻る様は、もう等分な悲しさ可笑しさなのである。

彼らに比べ強大な資金力のこちら軍は駅前マーケットで毒ガススプレーを購入し、やはり一気に噴霧する

つもりもあるが彼ら次第の作戦だ。っていうのも彼らが大好きなのは、なあんでかコンピューター周辺や

モニター近辺をブ〜ンするので、こちらの健康被害も考えてしまう。

それからついでにもうひとつの戦場。お気に入りの庭木「マユミ」ってのが庭の隅っこに植わっていて

幹の荒々しさに比べ、この時期柔らかい新葉が綺麗なんだ。隣が梅の木なので元々毛虫軍が生息しやすい

エリアだったんだけど、ついつい先日アッというまに新葉がポリポリと穴だらけになっているじゃないか!

慌てたこちら軍は日没前の刻に毒ガススプレー攻撃指令発動!

しばらくたって現場視察したら作戦は成功し、なんと彼らは枝から落下傘みたいに糸をツ〜ンと伸ばし

クルクル廻りながらもだえ落ちていった。きっと家族でおいしい葉っぱごはんを食べている最中だった

ろうに一気に毒ガスだもん。


このように資金力にもの言わせるこちら軍はいろんなエリアで戦っている。彼らがず〜っと昔から住んで

いたのもお構えなしに闘っている。

まるで今のアメリカみたいに思え、なんだか悲しいんだよ。


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