7/24の主張             文は田島薫



(ことなかれ政治について)

北朝鮮のミサイル実験について、わが国の政治家どものほとんどが、対北朝鮮大批

判で口をそろえていて、中でも次期首相候補の本命と持ち上げられてる安倍さんは

わが意を得たり、と大張りきり。

小泉首相の靖国参拝だって、米国追従してればすべて済むと思ってる彼らしく、中

国批判までしちゃう始末。


彼の中では中国も北朝鮮もおかしな体制の批判すべき国、ってことで決定してるら

しく、最近のコメントでも、政治的にはそういうことなんで、政治は分離して考え、

経済の部分で協力的にやって行けばなんとかなるだろう、ってようなことを言って

たんだけど、そう言った発言を中国がどう言う気持で受け取るだろうか、ってこと

は全然気にしてないようだ。

逆に米国については、小泉さんと一緒、どう好感を持ってもらえるだろうか、って

ことばっかり考えていて、安保体制についても、米国の若者が命がけで日本の国を

守ってくれてるのは申し訳ない、日本の若者も軍隊で出かけられるようにしたい、

って主旨の発言もした。


彼にとっちゃ、イラクやアフガンで殺された一般人は眼中にないらしい。

米軍が行くところすべてわが国の防衛のためで、米国やわが国の若者の死が唯一の

死で、攻められた国の若者の死は、かまわないらしい。


満州事変から始まる日本のしかけた戦争について、侵略戦争だったかどうか尋ねら

れ、自分にはわからない、それはのちの歴史が答えを出す問題だ、などと言った。

これは政治家として自分はなんの判断力もない人間です、って言ってると同じだ。


けっきょく、彼は米国追従でレールを敷かれた政策を無批判に受け入れ、とりあえ

ず、中国、韓国、北朝鮮に対しては、経済援助などのことやってお茶をにごしてれ

ばなんとかなるだろう、だって米国が世界で一番武力持ってるんだから、って言っ

てて、わが国のやった過去の非人道的行為については、非を認めず歴史の判断にゆ

だねるわりに、今だ戦争状態の意識である北朝鮮の立場も考えず、拉致やミサイル

実験に国連の制裁を本気で求めるような、短絡思考。

これに対して、もっと正当で落ち着いた意見を持ったものが首相候補にもっと出て

来ていいはずなのに、米国追従の大きな政策思考の流れに純朴に乗った安倍さんの

勢いに、勝算がない、と見た福田さんは立候補しないつもりのようだ。


われわれだって、一見当然に見える政策や当り前の正しい意見に見えても、軽はず

みに賛同してると、日本は危険なことになりますぜ。




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