●連載 がたやま娘のひとりごと      文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、お父さん亡くなっても生きてるよーだ、って話。



父の一周忌

早いもので、父が亡くなってから来月で一年経つ。去年の今くらいの時期は、再入

院する直前で自宅にいた。「何だがよ、足カクラカクラして立だんねぐなってきた

んだずは〜(標準語:何だかね、足がガクガクして立てなくなってきたんだよね〜)

って母が言っていた。癌が脊椎に転移したせいだったのだろう。そうなっても父は、

自宅でなるべく普通に生活しながら、趣味の書き物(イタズラ書き)をすることに

熱心だった。


「一周忌いつどうする??」って話をして、父の親友のトシヲちゃんのお店でやる

ことにした。父は仕事帰りにトシヲちゃんのお店で一杯やるのがとても好きだった。

子供の頃、酔っ払った父を、母と迎えに行くのがとても楽しかった。そこのお手伝

いのおばあちゃんは、お燗の温度を小指を入れて「ああ、ちょうどいい。はい、ど

うぞ!」って出していたらしい(^^)


当日。お休みの日に頑張って早起きして仕度した。実家に着いたら「あんた、茶の

間さ掃除機かげでけろ。」というので四角い茶の間を丸く掃除した。ほどなくして

身内全員が揃った。おっさま(住職さんのことを、親しみを込めて呼ぶ)もいらし

て、御経が始まった。眠いわ足痛いわで、愛犬わたると静かにじゃれていた。この

日のための(?)お洒落な尻尾のふわふわカット(特注)がご自慢だ。自宅での御

経が終わり、お寺に言ってまた御経。デブのせいで正座が拷問なのだ。(自分のせ

いなので仕方ないが)


そしてみんなでトシヲちゃんのお店に行って、たらふく食べて飲んだ。今回は運転

手をしなければならなかったので、私は飲めなかった。お店には、父のイタズラ書

きが残っていた。みんなで「こういうイタズラ、好きだったよね。」って話をした。


帰り。母を車に乗せたら「う〜!あんた運転手なら、あたし飲んでも良がったんだ

べしたね!ちぇっ!」ってお気楽なコトを、言った。


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