1/23の日記          文は田島薫



静かな休日

先週までいろいろイベントで大騒ぎが続いていたので、この土日はひとり静かに読

書で過ごそうと思った、と言ってもたまった新聞を読むだけだけど。

そんな計画ぴったりに土曜は雪が降って、ほんとに外へ出られなかった。


新聞のつい読み残したとこをいつも土日にまとめて読むんだけど、ここんとこ日曜に

出かけることが続いてたせいもあり、山のようになってるのを、チェックして行く。

だいたいの記事は全部読まなくても内容がわかる(ような気がする)ので飛ばす。

で、ちょっとひっかかるようなやつだけ読むんだけど、感心するような記事は少ない。

一面や社会面は例の強度偽装建築会社糾弾の流れや、今回の株価つり上げ工作のライ

ブドア関係の記事が紙面を占領し、頻発するアフガン、イラクのテロや、米国の次の

ターゲット(?)、イランについての記事はつい見過ごすぐらいの2面扱いが多い。

私だって本当は国際政治の記事が好きなわけじゃなくて、ついつい目がひかれるのは、

文化欄の書評とか、コラムといった日常趣味的なものばかりだ。


あんなにいっぱい読んだのに、今思い出そうとして、印象に残ってるのは、河井寛次

郎の娘の書いた本の書評コラムだけ。

その中の引用で、戦後彼女がある程度気の利いた食器を揃えようと考え、それを選ぶ

時の心得を父に尋ねたところ、なかなかいい問いだから、少し考えてみる、と言って

即答を避け、翌日、自分にもいい勉強になったと言いながら、「誠実・簡素・健全・

自由」と書いた紙を渡し、注釈はしなかったそうだ。

それへ書評筆者は誠実な食器ってなんだろう、って書いてた、しかし、それはちょっ

と考えればだれにでもわかるはずだから、文章の流れの中のレトリックなんだろう。


日曜は雪も止み、天気も上々、エレキギターにエフェクターつなぎ、クリームのクラ

プトンに合わせてひとりで大騒ぎ、静かな休日は1日しかもたなかった。


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