1/30の主張             文は田島薫



(不遜政治家について)

だれでも、ある程度の地位につくと、それだけで自分の能力が優れたものだ、って

考え勝ちになるものなのかも知れないけど、全くその能力がテーマになってない場

面でのそういったものの誇示は傍目に滑稽に見えるし、それが行き過ぎて、相手を

侮蔑するまで行ってしまうと、もう人間関係にも支障をきたす。


友人に聞いた話では、昔、某国会図書館長に、直々問い合わせたい事があり、電話

をしたそうで、その時、当人が出たのは出たんだけど、電話した友人がただの一般

国民だったと、わかったとたん、問い合わせ事項に耳を貸さないばかりか、自分程

の身分の者に直接電話するとは、って憤慨して、私は国会図書館長だぞ、って一喝

して切ったそうだ。

多分彼は自分が国民の税金によって養われている、ってことを忘れているのだ。

ま、これぐらいなら、しょーがないオヤジを就職させちゃったもんだ、って怒るぐ

らいで済むかも知れないけど、もし、政治家がそれだと、国家関係に支障をきたす

わけだから、国家存亡の危機まで招きかねない。


例えば、北朝鮮に対して強硬な非難のみで対処しようとする安倍官房長官や、靖国

参拝非難の韓国・中国に対して、何でそんなこと言うかわからない、ってその主張

を全面否定して、全く顧みない小泉首相。

彼らは対外国家を愚ろうしてることになる、ってことに気が付いてないのだ。


先日のテレビでは、石原慎太郎都知事が、中国はわけのわからん国だ、あんな国…

などと、そこらの路上にいるやくざなおやじのような表現をしていた。

日本の首都の長になったら、自分の考えることだけがいつも正しく、他の意見に耳

を貸す必要はないのだ、他国だっておかしいもんはおかしいんだ、って言わんばか

りで、米国の飼い犬のようになってる自分の国についての批判以上の張りきり様だ。


他国とのつきあいだって、人間同士のつきあいと本質は同じはずで、はなから、愚

ろうされた相手が真面目につきあおう、って近寄って来るわけはないだろう、それ

とも、ある国とだけ仲良くできれば、その他はつきあわなくて良い、って考えてる

んだろうか、自国の事は棚に上げといて不遜な言動を繰り返す政治家は、二流だ、

って言わざるおえない。(が、一流はどこにいるのかが問題だ)

自分だって敬意を表されたいなら、相手だってそうなのだし、それぞれの国にはそ

れぞれの事情というものがあるのだから、頭ごなしに愚ろうするなんてことは、そ

れこそ愚の骨頂なのだ。


われわれは、どんな国だろうが他国にきちんと敬意を表明できる人物かどうか、を

政治家資格の判定材料のひとつにして行くべきだ。




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