2/13の日記 文は田島薫
ノーテンキとキビシさ土曜日はいつものように家でゆっくりしようと思ってたら、はた、と、前日の金曜
日に、友人の会社のホームページの毎週しているコラムの更新をやり忘れたことに
気づき、午後、電車で事務所に出かけた。
内容のレイアウトなどは1日前にやっておいてあったので、それをただアップロード
するだけなので、仕事はあっと言う間に済み、ま、たまには、休日の池袋の街を散
歩してみっか、って思い、帰りにサンシャイン通りを歩いた。
まず、ハンズに寄ったら、1階は入口付近から若い女性で溢れていて歩くのもままならない状況だったので、何だ何だ、って見てみると、バレンタインデイのチョコレ
ート売り場が特設されていて、彼女らが、熱心に迷ったり、喋ったり、ラッピング
してもらったり、笑ったりしていた。
いつのころから始まったのか、われわれの世代の時よりエスカレートしてるような
感じがするんだけど、いずれにしても、私には関係の薄い流行なので、無視して、
上へ行ったら、上も同じテーマの賑わいだったので、こうやって人の仕掛けた流行
に嬉々として乗ってる女性たちは無邪気というか、平和というか、って批判的な感
情が芽生えたんだけど、傍目には負け惜しみに見えるな、って気がつき、ほっとく
ことにして、キッチン用品売り場で、探していた自然素材の鬼おろし器を買った。
夜は、トリノ冬季オリンピックの女子モーグルで上村さんの素晴しい空中演技よりも他国選手の滑走速度の評価を優先する採点が、種目の主題として解せなかった。
何だい何だい、って文句言いながら、放送の合間に、借りて来ていたビデオ、ラース監督の「ドッグビル」を見た。
難解な映画だ、って風評の印象だったので、シュールリアリズムかと思ってたら、
映画としては異色なシンプルな舞台セットのような簡略な場所で行われる点を除け
ば、(もっともミュージカルなんかにはありそうだし、テーマがより浮き彫りにな
る点や、経費がかからない点から言ったら、すごくいいやり方だ、って感じた)非
常に現実的でわかりやすい内容だった。
心優しい普通の素朴な人々が集まって生活していても、人の、善意や平和に見える生活の裏には、ちょっとしたきっかけで、噴出する疑いや、自己保身、差別などの、
可能性があるんだ、ってよーなことを言いたいらしく、確かに世界の紛争など見て
も、昔は仲良く生活していた隣人同士が殺し合ったりする理由がそこにあるわけだ。
本当の理性を持ったリーダー不在でもそれが起きやすい。
正に現代の国際情勢を暗示してるようだ。
お互いが、嘘をつかず、人を信じ、尊敬や、理解をしあい、理性を持ち、ってこと
を本当にできたら、世界は平和になるはずなんだけど、みんな自分はいつもそうや
ってる、って思い込んでるだけで、自身をよく見ると大分違うのだ。