2/27の日記          文は田島薫



このごろのおだやかな鑑賞

土曜日は、前日プロデューサーの尾形さんに共通の友人の個展2件に誘われたんだ

けど、毎日都内に通勤してるのに、休日またわざわざ都内に出かける、ってこと

がおっくうだ、って理由で、みんなに不義理したわけだけど、はなから、そんな

ことしてる場合じゃなかったのだ、って気がついた。(友人のみなさん、怒)

だって、天皇杯王者わが浦和レッズがJリーグ王者大坂ガンバとの大事なスーパ

ーカップゲームがあったんだから。


って言っちゃったもんで、言い訳をちょっと、(ってこれがますます泥沼化に)

個人個人の表現を鑑賞させていただくのは嫌いじゃないんだけど、一度鑑賞させ

ていただくと、なるほど、へー、こういう感覚の人なんだ、ってそん時感心し、

次は新作だとしても2度めは、鑑賞の意欲が少し薄れる。

だいたい表現って、集中すると、その作家の本質的な部分は1回めで全部出ていて、

後は、微妙な変化とか、発展とかを楽しむ段階に入るわけで、それの何回かを抜

かしたとしても、さほど問題ない、って思えるのだ。(反論が来そうだけど)

しかし、実際に鑑賞すると、予想を裏切って、いきなりの感動に襲われることも

確かにあるわけで、それはすごくラッキーなことなんだけど、そうたびたびある

ことではないので、期待は、ひとつの賭にもなってしまうわけだ。

木曜には大好きなパウル・クレー展に行ったんだけど、やっぱり、最初に見た時

の感激はなくて、あー、こういうもんだったよな、っておだやかに確認して行く

ような気分だった。

特に私の好きな作品は小さいものが多く、自分で持ってる画集で何度も見た印象

とさほど変わらないし、あー、これが肉筆の本物か、って感動はもう以前の1回め

で済ましちゃってるわけだし。


で、レッズは3対1で快勝。

なかなかいい気分で、トリノオリンピックで日本がメダル一個しかとれなかった、

って、いいよいいよ浦和レッズが勝てば全部オーケー、って、意味不明の寛容さ

を持って、ビール飲みながら、オリンピックもおだやかな気持で鑑賞することが

できたのだった。


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