●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、シリーズ最終回、友人との快楽上京日記だす、ってお話の3。



久しぶりのトーキョー(そのサン)

やっとこさ中に入った。人いっぱい。とりあえず室内着に着替えて、館内を探検した。

ヒーリングバーデ、っていう温かいところでちょっとひと休みした。カップルが多か

った。ババア軍団もいた。「お静かにお願いします」って書いてあったけど、やはり

ババアだけあってお構いナシ。デカイ声でくっちゃべっていた。

あんたらは癒されなくでも大丈夫なんだから、とにかく静かにしてほしい。

向かい側にはデブカップルが寝そべっていた。さながらアザラシの生態を見ているよ

うなので、ケイコちゃんとそっと観察していた。そのうち女性の方が起きてどこかへ

移動した。地響きがしたが、それは外のジェットコースターの振動だった。男性は寝

そべったままで、足首をくるくる回してトントン、トントンってやっていた。「オス

のトドは、メスを呼んでいます。」ってケイコちゃんのナレーションが入った。「メ

スは何処に行ったのでしょうか。エサを探しに行ったのでしょうか、水を浴びに行っ

たのでしょうか、戻ってきません。」って解説してくれた。チョイ寝もしたので、そ

こを「トドの間」って勝手に名前をつけて、お風呂に入ることにした。イモ洗い温泉

とは此処の事だ。だからお湯が濁っているのかなとも思った(ウソウソ)。とても温

まる良いお湯だった。しかし、ジェットコースターのすぐそばの温泉ってすごいネ。

さすがトーキョーだと思った。さんざん温まった後、夕ご飯食べよーって館内の焼肉

屋さんに行った。搾り出した汗の倍くらい食べてビール飲んだ。そしてイイ気分で終

電でホテルに戻って即寝した。


帰る日。朝ご飯は和定食にした。イイワネ、イイワネって言いながらトーキョー最後

の日を惜しんだ。ひと休みして、ホテルのエステに行った。ナントカっていう施術で、

ヒーリングミュージックを聴きながらその音楽の振動を、疲れとかコリの部分に当て

る。健康ツウのケイコちゃんは気に入っていた。

東京駅大丸屋の地下。帰りの新幹線の中で私たちだけのフェアウェルパーテイーする

ためのワインとおかず(←食いしん坊なので、おつまみじゃなくて、ちゃんとしたお

かずなのだ)を買った。ビールも買った。プルルルル、って発車のベルが鳴ると同時

にため息も漏れ、ビールをプシューっと開けた。

「楽しかったね〜」「そうだね〜」「あのさ、今回はのメインはさ、まっつんの結婚

式だったんだよ、忘れてないでしょうね?」「・・あ、そうだった。」「はあぁ〜・

・楽しかったね〜・・」って話しながら、泣き疲れたようにウトウトした。


目が覚めたら、雪景色だった。また「あれ、どこ行ってきたんだっけ?」って思った

けど、私たちは、しっかりと結婚式で頂いた引き出物を持っていた。


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