8/7の日記 文は田島薫
ペンキ塗りボランティア
先週末の金曜は仕事を休んで、画家であり昔私が勤めていたデザイン事務所の
元社長で85になる原さんが練馬の借地を引き払って外房にアトリエ兼住居を新
築中で、生活資金確保のため建設費切り詰め、の協力で、建築業者の友人のペ
ンキ塗りをボランティアで手伝いに行った。
自然に囲まれた隠遁生活のようなイメージを望んだ彼はいろいろな場所を探し、
私もネットで候補地をいくつか探したりしたんだけど、最終的に中古住宅では
新建材を使ってたり、けっこう町中にあったり、で、なかなか見つからないよ
うだったので、別荘建築会社の友人に数百万で新築可能か、って打診してみた
ら、なんだか、とても骨を折って、展示会で使った材料を流用したりして、ほ
とんどボランティアで引き受けてくれたのだ。
家を7時すぎに出て、建築会社の友人とトラックで現地に着いたのは昼近かっ
た。
現地と着くまでの近くの環境は、なるほど原さんが納得しただけあって、森が
あちこちにあり、くねくね曲った道は鋪装されていたけど、昔の田舎の里山そ
のまんまだった。
森の小道を入ると、いくつか別荘風の家があり、中でもぐっと目を引くシンプ
ルで美しいデザインの建物が見えた。
予算を切って始まったものなのに、わがままな原さんがいろいろ材料などにも
注文を次々出すらしく、外板は杉ではなく、高級なシーダ材を使っていて、す
でになかなかいい色合いの焦げちゃに塗られていたんだけど、黒に塗り替えて
くれとの原さんの注文らしい。
炎天下なんだけど、周囲に緑がたっぷりあるせいか、気持のいい風が吹き、日
暮れ前にはけっこう快適にペンキ塗りを終えることができた。
友人の他スタッフの2人は翌日も作業をするので、私も泊まって遊んで行け、っ
てすすめられたんだけど、少々身のキケンを感じ、電車で帰ることにして、家に
着いたのは夜の9時半だった。