9/20の主張 文は田島薫
(法律の恐ろしさについて)小泉自民党が大勝し、任期中は憲法9条改正はしない、って言ってるけども、
自衛隊の米軍追従方針は変らず、そっちの方向に向いていることが確かだし、
負けた民主党の前原新党首も同じ考えのようだから、それを阻止するためには
国民の側の意志表示しかない状況になって来ている。
それに、今、懸念なのは、2003年に初めて提出され、審議を継続し続けては、政治家、市民、法律家団体の反対で審議が進まず、衆議院の解散などで、廃案
になっても再提出をし、今回もそれを目論んでいそうな自民党の「共謀罪」法
制化の動きだ。
共謀罪は組織的な犯罪組織を対象にしている、と聞けば、それならいいんじゃないか、って考える人も大勢いると思うけど、その犯罪の規定そのものも曖昧
だし、第一、2人以上で団体だって言ってるわけだから、その法律が成立すると、
われわれがふだん冗談で話してるようなことでも、だれかが生真面目だったり、
悪意的だったりで、それを盗聴したり報告したりすれば、為政者に逮捕拘束で
きる口実を与え、戦中の言論統制と同じように、自由な発言が不可能な状況に
なっていくだろう。
そんな大袈裟な、って思う人もいるかも知れないけど、最初の目的が本当に悪質犯罪防止のためで作ったものでも、法律になったとたんに、それは国民に
拘束力を発揮し出し、独り歩きし出すものなのだ。
権謀術数にたけた為政者はいつでも都合のいい時に都合のいいよう法律を利用
するものだから、その気になればいつでも自由に国民全体の口と手足を拘束で
きる権限を与える恐ろしい法律なのだ。
郵政民営化反対派が「地方のお年寄りが困ってしまう」って言ってたような種類のいかにも、ありそうな説明だけされて、本当の恐ろしさに気がつかないと、
世代交代し、知らぬ間にまた愚かな戦争が始まらないとも言い切れないわけだ
から、われわれは手後れになる前に、いつでも声を上げる準備だけはしておこう
ではないか。
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