●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、死はいずれ誰にでも訪れるんだけど、家族の悲しみはこっちにも痛い。



父が、亡くなりました。

先月、父が入院先の病院で亡くなりました。

昨年末、肺ガンと判明したときにはもうすでに末期で、余命も告げられていました。

入院中したばっかりの頃は、こっそりタバコを吸っていてお医者さまにバレて、

うちの母とともにメッチャ叱られたらしい(^^;)でも病状はどんどん進んでい

たんだ。

亡くなる一週間前、別の病院に転院したので母と夫と付き添っていたが、その時は

いつものように父と母と私との間で、スゲーでっかい声で大ゲンカを繰り広げていた。

おとなしい(あたかい?)夫はボーっとつっ立っていたし、お隣のベッドのおじい

ちゃんは耳が遠いみたいだったので、あんまり迷惑じゃなかったかな、と思っちゃっ

たりして・・・それが私との最期だった。

亡くなる日は、母から会社に「車のカギ知らない?」と2回も電話がきていた。毎日

忙しくしているので、頭がモマイして(山形弁:頭が混乱して/目まいとは違うんで

す)車のカギをどこかに置き忘れたらしい。そして3度目の正直。残業していて電話

中だった私は、アルバイトの子から「お母さんから電話があって、大至急病院に来て

欲しいだそうです。」と伝言を聞いた。またモマイして電話してきたのかよ、と思い

つつ仕事を片付け、病院に向かった。

もう病室には母と、父の姉2人とそのご主人方、母の実家の祖母がみんなそろってい

た。父と弟のように仲が良かった叔父もいた。みんな泣きはらした目で私を見たので

「ああ、もう亡くなったんだな」と分かった。覚悟を決めていたせいか、悲しいとい

うよりも冷静だった。手に触れたけれども、もう冷たかった。


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