●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、いわゆるひとつの幸せのカタチ、ってお話。



くぬう・・!

太って止まないのだ。

天高く我肥ゆる秋である。私の体重の上限も果てしなく高い。いかんいかん。

贅肉と言うではないか。贅沢のゼイ。ふん、贅沢などしておらん。スーパーでは

割引品しか目に入らない。ごはんはどんぶり飯だけど、いつも卵や納豆や、漬け

物のおかずだからね。お肉だって、夫の実家から恵んでもらった2枚の牛肉を、

1枚は冷凍保存して、残りを7:3に分けて二人でチマチマ食べている。いや6

:4か、もちろん夫のほうが多い方の・・はず・・だ!

お気に入りのジーンズをはいて、久しぶりにベルトをしてみた。一回りしないう

ちに、何だか寸足らずなことに気がついてしまった。フン、と気合を入れて締め

て、一番はじっこの穴だ。座ってみると、ハラが出て邪魔。座りが悪い。立ち上

がって鏡を見た。上半身は私だが、下半身は私じゃない、別人だ。今は洋服も下

着も、小尻ブームなのだった。クソ、世の中は小顔に飽き足らず、ケツまで小さ

いコトが良しとされるのか。ウサギ小屋に住むニッポンジンだから、何事も小さ

いことが良しとされるのか!?家もケツも領土も、大きいほうが憧れじゃないの

かああああああああ!!・・・と心の中で大絶叫してため息をついた。決してベ

ルトがキツくて息をついたのでは、ない。

敬愛する師匠は「DNAってあるのよ〜 ある程度はガンバレても、結局は仕方

無いのよ〜」って言う。

そうか。仕方ないな、と思って、いまいましいベルトを外した。


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