今週の雑感(昔のもありの) 文はさぬがゆたか
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
感動もあり、そーでもないのもあり、で、謙虚にタイトルは雑感のまま。
※(おわび)前前前前回の続きは実は前前前回、前前回、前回と、海外シリーズ、
ってことで続いていた、との筆者からの指摘がありました。
我が家の「犬のモグ日記」より年末を迎えるころになると思い出すんだ。
うっすらと霜が降りてガタガタと震えながら
ボクは壊れた洗濯機の横っちょでいつもの朝を迎えた。
街の公園の外れで誰も来やしないゴミ捨て場のようなところに
ガタピシャな黄色い車がやってきた。
ここんところ何度もやってきた車だ。
細おもてのメガネを掛けたたいして偉そうでもない人間。
年末だというのに気軽にピーピーと口笛なんか吹きながらノンキなもんだ。
とりあえず吠えてみたけど効果はなく、そいつはどんどん
近寄ってくるし正直あたふたした。
吠えても吠えてもあっさり抱えあげられ、そのガタピシャ車で
知らない家に連れて行かれてしまった。
すでに犬小屋ぽいものもあったし古い首輪もあったけど
ボクはそんなのは初めてで好きじゃなかった。
でも、その晩に出されたごはんは、まだ小さかったボクのためになのか
薄いミルクと柔らかくていい匂いの食べ物だった。
とりあえず洗濯機の横っちょ村よりは暖かいし、このメガネ人間も悪くなさそうな気配だ。
なんの約束をしたわけでもないけど、その冬はその人間の工房?っていうのか
いろんなものが乱雑に並んでる場所の机の下で過ごした。
たまらないのは眠い夜中でもいつも大きな音で音楽ってのが流れ、いつも耳がピクンピクンしちゃって熟睡出来ないんだけど、ま、それも心地良くなったけど。
気まぐれなそのメガネ男は突然足で寝ているボクをくすぐったりする。精一杯シッポ振ってみるとなんだかんだと言葉を繰り返してくるんだ。だいたいは解る気がする。
やがて春になりメガネ男が留守にする時には、息子や娘らしい人間がドサッとフードを出してくれる。
時々ボク以上に気まぐれなメガネ男にはイライラするんだよ。餌だけ食べていればいいわけじゃないし走り廻りたいわけよ。隣の毛むくじゃらななアイツも、最近越して
きたばっかりなのに去勢されたアイツも夕方にはキャンキャン吠えまくって
不満タラタラで散歩を催促する。
でもなあ、ボクはなんだか悪い気がしてあまり吠えないんだ。もちろん知らない人には吠えるよ、それが仕事だから。
メガネ男がね時々連れていってくれるすごく広い河川敷があるんだ。車の後ろドアを開いてくれる時がその時で、せっせと飛び乗り、まずきちんと落ち着くことなんだ。
小さな窓から流れる風景を眺めるのが好き。
なんだかね、う〜〜んと昔に見たような心地良さなんだ。
飽きるまでたっぷりと走り廻れれば、メガネ男の「帰るよコール」にもきちんと車に飛び乗れるんだ。
そのへんはわかっているんだよもちろん。
この冬で2年になる。春先に迷い猫のミャーが仲間入りしたので、昼間の時間潰しにはあんがいいい。
あっというまに成長しやがって遊ぶにも危ない限りだ。 爪が痛い。
それとね彼女がいない出来ないのが悩みかな。そんなボクの秋日記。