5/23の主張             文は田島薫



(御用学者と役人の厚顔無恥について)

諫早湾埋め立て工事一時中止の一審裁決を破棄して、福岡高裁は工事続行を

認めた。

諫早湾埋め立ては、沿岸の塩害防止と農耕地開発を建て前に数十年前の計画

通りに、埋め立てによる有明海への悪影響はない、って御用学者や役人のイン

チキデータを根拠に押し進めたのだ。

有明海では毎年上質の海苔が育ってたのが、工事後は赤茶けた商品にならない

ものになり海苔業者などが埋め立ての差し止めを求めて裁判していたのだが、

今度の高裁では、その因果関係を証明できない、だと。

判事は御用学者や役人の机上データ主義で、現前の事実を否定した形だ。


減反政策のさなかに農地開拓を押し進める、って意味はなんだって、だれが

考えても不思議なことが、土木業者とつるんだ政治家の意志ですすめられ、

それに、事なかれ主義の役人がへ理屈をつける、ってわけだ。


長良川河口堰工事の場合は洪水予防と水資源確保、って建て前で、現実的には

もっと自然を利用した金のかからない方法があるのに、土木業者とつるんだ連

中にはそんなことを聞く耳はなかった。

水供給の必要性だって、すでに工事着工時水余りの現実の前ではおかしな理由

だったのに、へ理屈役人はへ理屈で押し通す。

環境への悪影響もない、って言われ、結果には河口のしじみは全滅、鮎の漁獲

量は半減したのに、データ提出した役人はだれも責任はとらず、平然と、次の

ターゲットのためのへ理屈に精を出す。


日本の役人たちには心から国や国民のためになるように、物事の本質を見抜く

ような力や意志が持てない仕組みになってるのだろうか。

政治家にデータ提出を命じられたら、きちんと公平に調べ、逆データが出たら

それを盾に政策に反論してもいいはずだろう。

役人は政治的発言ができないことはわかってるけど、事実とそれによって引き

起こされる悪影響の可能性を伝えることは国民に対する義務のはずだ。

もし、それによって、身分的な制裁が行われたら、それを国民に訴えて、理不

尽な制裁を加えた政治家を糾弾して行くことが世の中のためだ。

じっと、自分の保身だけ考えていればすむ、不動の役人身分ってものも、変え

て行て行く必要もあるだろう。

悪評の米国でさえ、政権政党が変ると役人もごっそり失業するんだし。





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