●連載
がたやま娘のひとりごと 文はこんのたえこ
地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!
今回は、男と女の不可思議な友情あるいは青春、ってお話。
お別れの季節。
近所に住んでいた8年越しの友人K君が、このたび転勤で山形から引っ越した。関東出身のK君とは、学校も会社も別だけれど、お互いの仕事を通じて知り合った。
同い年でもあり、うちから徒歩1分くらいの社宅に住んでいたので、いつの間にかな
んとなーく気楽に遊べる友人のひとりになった。
ヤセの大食いで甘党のK君。
飲みに行けば、彼はほとんど食べる専門で私は飲む専門。いろんなことについてあー
だこーだとウンチク・討論・毒舌毒演会。K君はカクテルやウーロン茶でお付き合い
くださり、私はカクテルの他にひとりビール飲みまくりで、ピッチャー5杯の記録が
できた。K君3000円、私15000円を支払ってお店を出た。
20代の半ば頃から、つい最近までは一緒にスノーボードに行っていた。「年を重ね
るごとに、ボードやってる時間より温泉に浸かってる時間の方が長くなっちゃってる
ねー!」と2人で苦笑いをしたり。(温泉はもちろんイオウの蔵王温泉。イイお湯な
んです)
私が落ち込んだ時には、お茶を飲みながらいろんな話をして、朝までK君の大好きな
レッド・ホット・チリペッパーズと、ウッドストックのビデオを見ながらギター弾い
たりして遊んでくれた。
そんなこんなしてたくさん遊んだけれど、一切恋愛にはならなかった。
近所の映画館の「カップルデー」は、男女2人だとひとり1000円で観られる日が
あるので「安くなるから一緒に行こうよ!」と誘っても「カップルじゃないから嫌
だ」と言われた。
ボデイーボードもやっているK君。面白そうなので「今度連れて行ってくれない?」
とお願いしても「海辺で男女2人だと、カップルみたいだから嫌だ」。「付き合って
ないんだから、別に関係ないじゃん!冬山のボードはOKで、海はダメなんておかしい
じゃないか!」と言い返しても、絶対に嫌だといって、遂に実現しなかった。
そんな、ちょっとなんだか変わったK君だった。
引越しや仕事の引継ぎなんかで忙しい合間をぬって、この間2人で近所のおでん屋さ
んで送別会をした。カナシイネエ、と語るよりも、これから40代・50代に向け
て、ああしたいねぇ、こうなったらイイねぇ、とかいう話をして「いろいろありがと。
でも、会えなくなるワケじゃないからさっ!じゃまたね!」っていう感じでオヒラキ
となった。
私たちはまだ30代で若い(!?)し、K君の言うように一生会えなくなるわけでは
ない。またいつか一緒にボード&温泉に行く約束もしているんだ・・・
♪アアー アレハ セイシュンダッタンダネエー♪とかいう替え歌をエアギターで
歌ってみたりしている、早春の休日。