●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、男ごころをもてあそぶ天然のおんな、ってお話。



ホワイトデー☆

ああそうだ、ホワイトデーだった。 お返しはナイ。 バレンタインデーは、どなた

様にも義理チョコすら差し上げてないから、お返しを頂けなくて当たり前。ホワイト

デーなんて習慣、いつ頃からできたのでしょう?昔は無かったような気がしますけど

・・・

男性からのプレゼント、今まで何か頂いたことがあったかな・・・? 頂いたコト、

無かったっけ? 

いやいやそんなことはないはず! で、記憶にあるのは最近のこと。(年のせいか?

覚えていられないのか?)
 

ある年のクリスマス。ちょうど土曜日だったか日曜日だったけど、私は休日出勤の当

番だったので、朝から働いていたのだった。当日、アルバイト学生たちとケーキを食

べながら、せっかくのクリスマスの出勤なので、みんなで100円くらいのプレゼン

ト交換などしながら、楽しく仕事をしていた。

そんな中ケータイに着信があり、父が肺炎で緊急入院したから仕事を早く切り上げて

病院に行って!と母をはじめ母方の祖母と伯母2人から次々連絡が入った。(結局は

たいしたことなかったけれど、とってもせっかちな親族!代表して誰かひとり電話し

てくれればいいのに、と思った) 

そんな事情だったので、クリスマスだけれど絶対ヒマだろうと思われる友人♂に連絡

して、仕事が終わったら会社に迎えに来て、病院まで車で乗せて行ってくれるように

頼んだ。(今になって考えれば「ヒマでしょ?」というとっても失礼な一言も添えて

しまっていた)

会社の前で待っていてくれた友人♂の車(ミラ/平成6年式/マニュアル)に乗った。

「急に呼び出してすみません。運転手さん、病院までお願いしますm(_)m」とい

つものようにボケをかました。

そしたらおもむろに「ハイ」と花束をくれた。

とっても感激した。仕事中でお見舞いを買う時間が無かった私に代わって買ってきて

くれたんだ・・・!と思い込み(←どんな時でもコレがとってもキケン!)

「父へのお見舞いのお花だね?どうもありがとう!買う時間が無かったからチョー助

かる!気が利くねぇ〜」

とお礼を言ったら、

「・・・一応、クリスマスプレゼントのつもりなんだけど・・・」

と静かな声で控えめに返答された。

・・・あ・・・そうですね・・・よく見ればデッカイし、香りの強いユリとかもある

から、お見舞いのお花にしてはちょっと派手・・・どう見たってクリスマス仕様の花

束・・・ ですよね〜・・・ 

車はもう病院に向かって走り出していた。沈黙の時間の長かったこと。

せっかくのプレゼント、頂くのがとっても下手。 母にその花束を見せたら「今日は

どなたかの送別会だったの?」とトンチンカンな質問をされた。何はともあれ、ステ

キな花束だったのでスナビレる(山形弁:しおれる)まで玄関に飾っておいた。

♪アナタガアタシニクレタモノー♪っていう歌があるけれども、聴いているとすげー

いっぱいプレゼントもらってて、それを全部覚えてるって、すげーと思う。


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