1/31の主張             文は田島薫



(正義の妄信について2)

拉致被害者の骨のDNA鑑定がねつ造だと言う北朝鮮に対して、被害者家族など

が、話しにならない、って怒り、すぐに経済制裁をしろ、って言ってる。

北朝鮮の方が間違ってる、って証明はないのだから、素人であるわれわれが、

無条件に日本の立場を信じきって怒るのは危険だと、私は前に書いたんだけど。


日本人なのだから日本のやることに信頼をおいてどこが悪い、って言われそう

だけど、そう言ったら、ほとんどの北朝鮮国民だって指導部が言うことを信頼

して怒ってる、って構図は同様なのだ。


多分北朝鮮がウソをついてるんだろう、って憶測は日本国民としてはだれでも

しているのだろうけど、だからといってそれが真実だ、って保証はないのだ。

日本国内での分析でも最初はDNA解析は不可能だって、いってたのが、結局、

帝京大(ここは薬害エイズ事件で前科がある)の高度な分析技術によってできた、

ってことなんだけど、専門的でわれわれには分らないのかも知れないけど、

それの詳細な分析経過なり、その証拠データなりを見せてもらえてないのだから、

結論を絶対的なものだ、って信じるべきではないだろう。

もし、仮に「見込み」解析で不十分なデータから結論を出したりしていたら、

北朝鮮に対して取りかえしのつかない不信を与えることになるのだ。


それに、北朝鮮が1本化した指導部の策略で他人の骨を偽ったのだ、って日本側は

決めつけてるけど、ひょっとしたら、ごく一部の機関によるいい加減な仕事に

よるもので指導部の方はそれを知らない、って可能性だってゼロではない。


日本の今するべきことは、素人の国民の怒りにそのまま流されて、当然のように

経済制裁で脅かすことじゃなく、もう一度第三国にDNA解析を委託したり、結論

だけで納得していない北朝鮮に対して、充分納得できる詳細な分析経過と、証明

を提出することなのだ。


一般の人々は、みんながそう言ってる、ってことだけで、自分たちが正しくて、

相手が悪意を持った者だと思い込むと、根拠がないのに張り切ってしまうようだ。

わが国だって過去間違ったことを沢山やったし、そんなに一方的に他国を責める

ことができるほどいつも正しい国じゃないのだから。




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