8/29の主張 文は田島薫
(感情論の危険性について)小泉首相の主張がけっこう国民に人気がある理由は、自分たちの保身や利権関
係を隠し、さも国民のためになるかのような詭弁を並べる政治家より、考えが
ストレートで本気だし、一応言ってることが分かりやすい、ってことだろう。
ただ、正直で分かりやすいことを言ってるからすべて正しくて、信頼していいかどうかは別問題だ。
人は自分の意識の範囲で物事の正否を判断するわけだから、難しい事を言う人間
より簡単な事を言う人間の方を支持してしまう、ってことだけなら、難しい事を
言う人間の言う自分の知らない真実によって本当は分かりやすい事を言う人間の
主張が間違っていることが証明されているかも知れないのだ。
きょうのテレビでの党首討論、憲法9条改正によって、日本が戦争のできる国になってしまってかまわないのか、って社民党の党首が小泉さんに質問した。
社民党らの野党の主張は自衛隊が平和貢献って名目で米軍追従政策のままいつで
も海外へ出て行って、結果的に独善軍事政策の手先になって戦争に参加すること
になる、という明白な危険性を指摘していたのだが、小泉さんは、素朴な表情で、
なんで9条改正すると戦争をする国になる、っていうのかさっぱり分からない、
戦争するつもりないし、平和を守る、って謳ってるんだから、って言う。
それはただの言葉だ。平和のため、って言いながら戦争に参加し、その事実さえも認めない。
現に、イラク戦争がそうだったのだ、間接的だったとしても。
しかし、言葉にだまされてしまう人たちは、小泉さんの意見に同調しちゃうかも
知れないのだ、分かりやすいから。
人は自分に都合のいい話を正しいこととして合理化してしまって、その間違いに
気がつかないものなのだ。
イラクでは米国の一方的侵略によって、また劣化ウラン弾などによって数十万人
の被爆被害が起きていると言われていることについても、他国の人間の被害であ
って、自分の国は安全、ってことで彼は加担の責任を全く意識してないのだ。
わが国は平和貢献しかしておりません、って言って、自分で安心しちゃうのだ。
それを聞いた素朴な国民も、そうだよな、って安心しちゃうのだ。
素朴な簡単な言葉に気をつけないと、しまいに大変なことになりますぞ。
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