●連載
がたやま娘のひとりごと         文はこんのたえこ


地方文化都市山形で、世界の様々なことを感じ考えている
賢くうら若い(?)娘の話を聞こう、疲れたおじさんおばさんたちよ!

今回は、ダンナがいい味出して、幸先のいいゆる〜い新婚のスタート。




神殿にて


私の夫は「カシワデ」を知らない男だった。神前式である。

神主さん 「では、カシワデを2回お願いします。」

夫 「・・・・・」

神主さん 「カシワデ、です。」

夫 「・・・・・?」

神主さん 「カシワデ、手です、手。」

夫 「・・・カシワデ??って・・ナニ・・?」

以上は、神殿でホントにあった話である。赤面しちゃったどころではない。

顔が引きつってたと思うけど、厚化粧でバレなかったと思う。もう情けなく

てパニくりそうだった。

そんで「ちょっと待った〜!!」って私の中のワタシが叫んだ。今すぐこの

場から立ち去ろうかとも思ったけれど、いかんせん日本の古式ゆかしい花嫁

衣裳が重くてかなわん。「泣き泣きお嫁に来たのよ〜」ってどっかで聞いた

ことのあるどっかのばあちゃんの話が、頭の周りをぐるぐる回っていた。

そうか、花嫁衣裳が重いのは途中で逃げ出さないようにするためでもある

んだな、ってひねくれた考えをひねり出した。

「神様、何もかもキャンセルしてくれえー!!」って心の中で絶叫したけど、

私の頭に浮かんでくるのは、どうしても志村けんの神様だった

・・・ダメダコリャ!


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