●新連載
クーニーズ          文はえんどうくにこ


世間の荒波を凛々しく乗り越えて来たベテランOLエンドーが
世間の矛盾、不正?を次々あばいて行きます!…多分。

今回は彼女がふとおそわれた疑問の話。



りんご

秋の夜長。短編小説を読書中、時間にして約15分、結論の出ないフリーズ

状態に陥った。

場面は列車の中。リタイアしたのに毎朝同じ車両の決まった席に座る英国老紳士。

ひざに乗せている常用のブリーフケースがふとした拍子に開いてしまい、床に煙草

ケースと1個のリンゴが転がったというところ・・・と、同時に別の場面が

シンクロした。

深夜、カンサスのさびれたバー。古いスーツ姿の中年大柄男性は、かつてガソリン

スタンドチェーン店のオーナー。しっかり抱えた傷だらけのブリーフケースと一緒

にスツールから転倒、パックリ開いたケースの中身は歯ブラシと林檎だけ・・・

そう、またしてもりんごなのだ。なぜ、りんごなのか?イメージと記憶の混乱が

始まる。

あまりにも有名な『ウイリアム・テルのりんご』  20世紀の象徴 『ビートルズの

アップルレコード』 そして『N・Yの別称でおなじみのBig Apple』 

なぜかいきなり音楽路線へ。代表的懐かしの歌謡曲『りんご追分』 『りんごの唄』

さらには吉田拓郎の『リンゴ』までとワープする。はたまた、デンターライオンの

CMにハウス・バーモントカレーのCMソングまで。なんだかリンゴってアイドル

している!本来の果物としての食路線でいくと 甘酸っぱい香り・つややかな色彩・

赤黄色(青色も)・固くて重い・日持ちする・食べやすい・料理のレシピが豊富

e.t.c.かなり脱線してしまったようで。

さて本論は何故ブリーフケース+リンゴなのかである。オレンジやバナナや梨や

チェリーではなくってリンゴが選ばれたその理由は?たまたま小説家がリンゴ好き

だったから?なんてのは納得できない。小説や映画の小道具としてビジュアル的に

恵まれた要因を備えているから?誰か私にりんごの秘密を明かして!!


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