今週の雑感(昔のもありの) 文はさぬがゆたか
ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
しばらく感動ものじゃなくて雑感記に変えたいとのことです。
「夏 酒 場」
この前の暑い日、板橋に工房のある美術学校同期生のK氏と会った。まだ日も高いけれど、たまには生ビールでも飲もう!ってことで駅前で待ち合わせた。
やってきたのはシトロエンに乗ったデザイナー氏と彼。なんで飲む
のに車なんだ?と思ったけれど、どうやら普通の飲み屋さんじゃないらしい。
たどり着いたのは住宅街をくねくねと曲りきった普通の酒屋さん。
※「おいおい、これじゃまるで三孫じゃねえか?」
ぶつぶつ言うまもなく、きっぷのいい女将さんに案内され入ったのは
店内倉庫を改築したような席だった。テーブルも何席かあり手書きの
メニューも張り出されているから、間違いなく酒場である。
さすが酒屋だ。缶ビール250円などで解るようにほとんどが原価に近い
ので、モロキューやら煮込みなどのつまみをたくさん食べないと売り上げ
に貢献出来ないしくみだ。
チープなテーブルにビールの箱などが並んでる中、なぜか初期のビートルズ
の写真が飾ってある。デザイナー氏がさっそく見つけたのはビートルズの
武道館ライブのビデオテープだった。それを見ながらまた見つけたのは
壁にかかってるアコースティックギターとテルキャスター型のベースギター!
「なんだよ、なんだよこの店は・・なんだよ?」笑顔満面でデザイナー氏は
さっそく弾きだした。
それを見ていた長髪金髪のマスターが「アンプ持ってきましょう。エレキもありますから」って言うなり店を出ていった。
暑いコンクリートの路をせっせとアンプとエレキ抱えて走ってくるマスターの姿は
おかしかった。「きっとクレージーでいい人に違いない」
工房のK氏がこの店で飲もう!としたことが理解出来たのであります。
その後夕方になって近所のおっさん達で席が一杯になるまで、弾きながら飲む。
おっさん達の消防団の打ち合わせ話が終わると、今度はリクエストで「神田川」を
弾かされたり「ベンチャーズ」もちょっと弾いた。日本的というよりは雰囲気は
中南米ぽい夏の夕方って感じになっていた。常連の青年がまたギターがうまいし
マスターは今度はドラムも持ってきておくから。って具合。
あまりにもいい雰囲気なので、僕の好きな女性も呼び出し、歌で中途参加し
すっかり人気もんになっていた。
久々に「音楽っていいなあ」と思った。ギターが弾けるだけで無条件に仲間が
増える不思議さを感じた夏酒場でした。
※ 三孫 ココア通信制作部にほぼ近いところにある酒屋。夕方から立ち飲み客で賑わうので地元で有名な店。