新連載●文はクボユーシロー

俳優1



(吉岡秀隆)

謹賀新年。今年の初めは役者さんたちについていろいろ書いていく。僕の母親は

御歳87歳、若干ボケが入ってきたがすこぶる元気。この間なんか、肩が痛いという

ので近くの整形外科につれていたら『50肩』と言われてしまった。それはともかく、

その彼女がテレビを見ていて時々「あっ!吉岡君だ」と言う。映画『寅さん』や

北海道の富良野を舞台にした連続テレビドラマなどに出て有名になった『吉岡秀隆』

である。彼が蕨市立中央小学校1,2年の時、教員だった母は彼のクラス担任だった

のである。母に言わせると彼はすでにその頃から忙しい役者であったらしい。当然、

撮影で地方ロケが続くと小学校を長期間休む。学校管理者である校長先生から母は

『現地の学校に短期の転向手続きをして勉強するように親に言って欲しい。』と

しつこく言われたらしい。彼のマネージメントをやっていた吉岡秀隆のお母さん

からは『ぜひ今のままでお願いします』と泣きつかれ母は板ばさみになり苦労した

らしい。結局母は何度も市の教育委員会に足を運び調整し、『家庭教師をつけ、

休んだ分をちゃんと補習する。』と言うことで話しがついた。母は『吉岡秀隆』

をテレビで見つけるとよくその時のことを言う。彼から今年もしゃれたデザイン

の年賀状が来た。 おわり


戻る