2/23の主張 文は田島薫
(有能老人について)政府自民党は大挙して、ばたばたと米国追従政策に追われ、いろいろ言い訳をしつつ
自衛隊のイラク派遣を進めた。
人道支援、復旧、国際協調、日米同盟、がその言い訳なのだが、どれをとっても、
現実的な説得力と実効性に疑念を持つ国民は多いはずだ。
それほど大人に見えない政治家などが、しきりに大人の判断だ、などといった表現をして、米国追従の必要性を強調するのだが、本当に大人の判断だと思えるのは、例えば、きょう
の埼玉新聞に寄せた、元副総理、90才の後藤田正晴さんの意見だ。
今回は自分以外を、やれこどもだ、やれ老人だ、と言っては切り捨てる、えせ大人に、
本当の大人はこういうもんだ、っていう私の気持ちを込めて概略を紹介したい。
まず、小泉さんのイラク政策は中東情勢全般の行く末を考え中東外交をどうするか考えたのではなく、日米関係を円滑にすることが目的だった、ところが、その日米安保そのものは、
日本と極東地域の安全にかかわる事態に限られていて、遠いイラクへの武装派遣の有無に
よってその信頼性が揺らぐものではない。国会の論戦も派遣先の自衛隊安全の有無が主題
にされていた面が強いが、それは大事であっても二次的であるべきで、問題は今回の大義
がどこにあるのか、について真剣に議論を尽くしたかだ、と。いったん派遣すると、よほど
のことがない限り撤退しにくい。イラク国内でレジスタンスに発展すると、抵抗勢力に
正当性があるという意見が出て来る。その時に大義がないと、どうなる、と。
これは意見としては事後批判のようになって、今からどうするんだ、って反批判がありそうだけど、まさに、そういった即物的な短絡発想が世界平和政策の可能性の巾を狭め、危うく
していく元凶なんじゃないだろうか。
小賢しい小手先のごまかし政策を考えるのが大人じゃなく、もっと広い、自由で平等な
視野から、だれからも後ろ指さされない政策をどうどうとやるのが大人だろう。
年齢や、えせ大人に左右されず、われわれは本当の大人の意見に耳を貸そう。
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