今週の雑感(昔のもありの)              文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
しばらく感動ものじゃなくて雑感記に変えたいとのことです。



 「 車 」

どうってことない話題ですいません。「 車 」です。

だからってすごい高価な車を買ったとか、乗ったとかの話しじゃなくて、

ほぼタダの車が一年がかりでサマになった話し。

一度は話したかったので黙って聞いてなあ。

何なりとお金を費やせばそれなりの車は手に入るんだけど、どうにも最近は

凄すぎる。「ピッ!」って音でドアはどうにでもなるし、ザーザー言いながらも

テレビも見れる。どこの角を曲って何件目にデニーズがあるのも教えてくれる。

まるで凄いけれど良く出来過ぎた建て売り住宅みたいで「実につまらん」って考える

ようにしているんだ。

そこんところ「我が車」はかなり違うよ。朽ちはて寸前のところで出会ったんだから。

窓はくるくると力一杯に廻して開け閉めする。

暑い夏は我慢する。冷房はない。(暖房はOK!)

ギアはせっせと何速も入れ替える。

パワステじゃないので、一生懸命にハンドルを切る。

シートベルトは基本的に巻き上げてくれないタイプ(自分で合わす)

エンジン始動はチョークレバーを微妙に引く(わかんないだろな?)

スピードはエンジンの温度加減で決める時がある(高速道路でだよ)

カーステレオの音はあまり聞こえないくらいエンジン音が大きいのは

今どき絶滅した2サイクルエンジンにチャンバーっていう排気マフラー

を装着したため。
 

なんだかんだと言ったらキリがないけど事実。そんな1/4世紀前の型式の

車が朽ち果てていたわけで、昨年末からせっせとレストア作業が続いたんです。

寒い冬に足元から冷えると思えば「床に穴が開いてるじゃないか!」

グラスファイバーを素材に錆びた鉄板を削り穴埋め補強をする。

窓枠から風雨入りこめばゴムパッキン選び装着し安心台風。

何度磨いても光らぬボディを悩み、エアガンを習い吹く。

もう手にはいらぬ部品を思い、西に東に走り廻る。

修理のいろはも知らずすべて手作業この一年。
 
 

あ〜なんだか、たかが車で詩人になれるもんだなあ。

庭先で毎日毎晩様子を伺え、犬と猫がじゃれあう姿があり、鍵のしまって

いないトランクに楽器を載せたまま走り廻る。金目のものは何にもないけど

どっさり財産になっている車になったんかも知れない。いつどこでプスン!と

止まっても何にも不安がない車。思う存分走ってあげようと思うんです。



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