12/27の主張             文は田島薫



(アンバランスな国際意識について)

きょうもスマトラ沖大地震のニュースで死者が数千〜1万人、まだそれが増え

そうだ、って伝えたすぐ後で、先日身内の不幸のために延期されていた紀宮の

婚約日の発表をする宮内庁。

米軍のイラク派兵で10万人のイラク人が殺されたことにはほとんど触れずに、

米軍の1千人の死亡のみをことあるごとに報道する米メディア。

その米軍追従の政府に対し、イラク陥落後、米軍によって数千人殺されたファ

ルージャ攻撃には騒がなかったのに、北朝鮮の拉致被害者問題では、だれも、

今、死ぬ生きるというわけでもないのに、飢餓状態の国に経済制裁経済制裁、

って騒ぐ大勢の日本国民。

自分の方は核武装たっぷりやっといて、イラクにはそれをしていてけしからん、

って濡れ衣を着せ、一方的に軍事攻撃した米国。

同じような米国からの攻撃を恐れる北朝鮮が、6ヶ国協議でそれへの不安を

解消するために妥協をする準備をしてるところに、6ヶ国協議の主題でもない

拉致問題だけを意識して感情的に騒ぎ、協議の中止さえ招きかねないのに、

気にしない大勢の日本国民。

かつて米国の経済制裁によって、はなから勝ち目がない、と多くの識者が

止めたのにもかかわらず、米国に宣戦してしまった経験を持つ日本人が、

北朝鮮は、日本が経済制裁しても攻撃しては来ないって言う大勢の日本国民。

かつて、日米大戦の前、宣戦もいいんじゃないか、って気分だった国民が

後で大変な目にあったのに、万一、北朝鮮が攻撃しても、大したことには

ならない、って言い切る大勢の日本国民。


これらはみんな平和惚けプラス自分の国さえ無事なら他国の不幸は気にしない

っていう、自分の利己主義的意識に気がつかないせいなのだ。他国で生きてる

人々だって、われわれと同じ感情を持って日々生活してるんでしょうが。


国際交渉ってものは他国の都合や立場にも充分配慮しなければ、未来はないん

ですよ、よく考えてください、年だけとったお嬢ちゃんお坊っちゃんたち。




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