4/12の主張             文は田島薫



(イラク日本人人質事件について)

イラク、ファルージャ近郊で武装グループに拉致された日本人3名は、3日内に

自衛隊の撤退がない場合殺害されると予告されていたが、アラビア語テレビ、

アルジャジーラでの被害者家族やイスラム指導者らの説得を通じて、3名の

イラク人への純粋な人道活動が理解されたせいもあったためか、11日には24時間

以内に解放するむねの通知がグループからあったとアルジャジーラは伝えた。

しかし、24時間から10数時間たった今も解放の確認はとれていない。


その解放通知が武装グループ同一のものとの確証はないが、ひとまずその方針に

なった後、現実的にそれをした場合、居場所を確定され米軍に攻撃を加えられる

恐れが武装グループ内で問題になって来たんじゃないか、ということが大いに

考えられる。


第一、今ほんのわずかの時間停戦が延長されたことになっているが、ファルージャ

での米人リンチ事件の報復で、米軍は一般イラク住民に向け武力行使し、数百人の

イラク人の人命を奪い、今だにあたりを武力包囲し続けているのだ。


アルジャジーラで3名や、自衛隊の活動の意味を理解してくれるよう訴える一方、

そんな乱暴な軍事行動をしている米国に対して、何も言えず、人質救出について

米国に最大限の協力を頼む、といった武装グループ側の神経を逆なでするような、

政府外務省の無定見の活動は、平和解決をするふりをしつつ武力攻撃もねらって

いるように見えるだろう。

パニクってブレーキとアクセルを一緒に踏んでいるのだ。


いつも大前提のように無批判に追従するばかりでなく、いい加減に、暴走する米国と

離れ、しっかり現実を見、イラク人の立場にも立った独自の政策方針を立てるのが、

イラク情勢の泥沼化を救う日本のやるべき仕事だろう。




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