連載●文はクボユーシロー

小旅行日記17


(千葉みなとその3)

夏の日曜日の昼下がり、人影も疎らな『千葉みなと』駅周辺は書割の絵のようにストップ

モーション。

光線銃(本物は見た事ない)のような光と熱。

以前西部劇で見たような荒野の中に取り残されたゴーストタウン、強いコントラストと

暑い風と沈黙が漂っていた。


駅近くのホテルで行われた会議が終わり、帰りは『千葉みなと』駅からJR千葉駅まで

モノレールに乗ることにした。

JR千葉駅を中心に広く張り巡らされた千葉のモノレールは未来志向の交通機関として

かなり前から巨費を投じて建設され、これからもっと広がるらしい。さすが『土建政治

王国』千葉の面目躍如。以前JR千葉駅の頭上でガンガン繰り広げられていたモノレール

の大工事を目にした時、またあの『はまこう』が動いているのかと苦々しく思った。


モノレール内部は普通の電車より狭く、天井も低い。モノレールは下から見あげるイメージ

はずいぶん未来的乗り物だが、内側は都電のような庶民的ムードである。しかし、高い所

から風景を見て走るのはさすがに楽しい。民家や商店や道路を俯瞰しながら走り、

マンションやオフィスビルの脇をすり抜けて走る。振動や騒音も少なく、町の上空を人々を

見下ろしながらクネクネと走るこの乗り物はやはり未来的ムードを持っている。 おわり


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