今週の感動              文はさぬがゆたか


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
今週は今届いたばかりのほんとの「今週の感動」。




さすがに秋であります。美術な秋は個展の案内状がたくさん届きます。

いつになっても満足な作品が出来ずにいるもんだから、そんな案内状に

ジェラシーを感じつつも出向いてみることにした。

その一人は美術学校からの長い友人で、いつもはモダンアート

をシルクスクリーンで表現してるんだけど、今回は「書」の方のグループ展。

会場は埼玉の浦和駅から西日をあびながら坂を下ったあたりにある大きな

会館だった。

今年で24回を重ねる展ということもあって、人数もかなり多いらしい。

7割方女性の書家の作品の中には、大胆な構図にモノクロームの斬新さが

すごくモダンに感じる作品があった。

男性の書く大胆さに比べ、本当は女性の方がより大胆さを

本能的に持っているんじゃないだろうか?と友人と語りあいながら見た。

その友人の作品はやはり通常の「書」の枠から抜け出たような、いや抜け出

たいような作品だった。

「僕らはまだちょっとスケベ心があるうちは満足には表現出来ないん

だろうなア」と呟きあった。

書のおいしい部分を知って、それをどうにかモダンごっこ出来るんじゃ

ないか?なんてスケベに考えてしまう。

お互いまだ青いのでありますね。もちろん彼の作品は

十分に大胆ではあるんですが、グループ展先生の枯れた神髄の「書」を

横で見ちゃったもんだから。


その後、日本画のグループ展も見たんだけど、いかんかったな。

「良く描けているんですけど・・」的感想になってしまう。

たかが四角い枠の中で、いろんな違いが出るもんなんだと痛感。

「人の心を動かすには、十分に自分自身が感動出来るようになること

なんだ!」ってつぶやきながら浦和の駅に向かったのであります。


その後、今度はココア通信の田島さんも出品している「高円人展」にも

向かった。夕方のラッシュアワーにもまれながらクタクタで辿り着いた

ものの、ギャラリーに着くなり一気に心が弛む。だってだって、すごく自由な

空間に束縛をまったく感じない作品が展示されている。緊張もなくただただ

自由。

どこかで、この年齢なんだからそれなりにとか、この作風は何?と

似ていないか?方向性をきちんと考えなくちゃ?とか、とにかくスケベな自分が

こっ恥ずかしい。

「いいんだよ、思ったことを今出来る表現で!」って思えたら腰がへなへなに

なった。

再びその翌日、高円寺展の搬出にも顔を出し、打ち上げにも顔を出したので

すっかりへなへなな週末になってしまった。心地いい疲れだったなあ。


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