連載●文はクボユーシロー
小旅行日記24
(嵐山その1)
『嵐山』に行った。埼玉県比企郡嵐山町は『ランザン』と読む。
嵐山町は地図で見ると埼玉県の中央部より若干西側にある。鎌倉時代に関東武士
団の一つ畠山氏がこの地に城を築き、今の比企郡一帯を治めていたと郷土資料館
のパンフレットに書いてあった。
嵐山には現代アートの野外展を見に行った。折りたたみ自転車を抱えて東川口駅
から武蔵野線に乗り、北朝霞駅で隣接する東武線朝霞台駅に乗り換えた。朝霞台
駅から武蔵嵐山駅までは片道570円である。この現代アートの野外展は東松山市
を中心に隣接する嵐山町と鳩山町など、いわゆる比企丘陵といわれる一帯に展示
ポイントを分散、早い話がこの辺一帯の町おこしを狙ったイベントの一つである。
東武東上線武蔵嵐山駅の駅舎は最近リフォームしたらしい。ホームから階段を上っ
た所に自動改札機がある今風のやつである。改札口の隣にどうしたことかイベント
スペースがあり、そこから聞こえる音が大きいだけの下手なロックバンドがうる
さかった。
古い町らしく駅前は家が密集していたが、とっても清々しい秋晴れの休日なのに
駅前広場は閑散としていた。池袋から東武電車で1時間ちょっとのこの辺も老齢化、
過疎化の波が押し寄せているのか。早速、折りたたみ自転車を組み立てて現代アー
トが野外展示されている会場『国立婦人教育会館』に向かった。 つづく