6/30の主張 文は田島薫
(食料問題について)テレビで中学生向けに環境問題を考える番組をやっていた。
各国の代表の中学生が出て、それぞれ自分の国一人当り平均の食事のカロリーで
世界じゅうの食料の生産量を割って、何人を養えるかという数字を出していた。
世界の人口63億人に対し、日本人のはぴったり63億人、アフリカや東南アジアなどは
それ以上養えたが、消費社会の先進国米国の食事では十数億人分不足だということ
だった。
世界の人々が米国並みの食事をしたら、十数億人は確実に飢える、ということだ。
何だたいしたことない、と思うかもしれないが、これは単純計算、世界で
生産された食料のすべてが有効に使われた場合であって、
実際は米国や日本では食べ残された食料は大量に廃棄されているのだし、
そういった野方図な消費社会のために、 先進国でも発展途上国でも農地を食料生産の
対カロリー計算では非効率な牧畜地や、工業用地への転用するなどして、ますます
農耕地は減っている現状とそれに反比例して、世界の人口は増え続けているのだ。
発展途上国の食料不足はその国の問題だから、自分で解決すべきだ、と言ったら簡単だろうが、我が国だって、それほど必要でない無駄な工業生産物を先進国に
売った金で買った他国からの食料によってバランスをとっているだけなのだ。
だから、我が国はどんどん新しいものを作って、経済効率を上げなければならない、などと、色んな人が言うけど、それは、さっき言った世界の中での食料不足を生む
悪循環の元なのだ。
自分だけ快適な暮らしができればいいと、例えば、でっかい車をひとりで乗りまわす、といったことは、ほんとにいいことなのか考えることもこれからは、重要な常識に
なって行くはずだ。