今週の感動              文は佐怒賀豊


ソノ世界的イラストレータ・サニーはココアメンバーですが、
ふだんのアート作業を栃木でやっていて、そこからの田舎だよりです。
今週は、楽屋落ち風だけど、ちゃんと「今週の感動」。



中学の同窓会があったせいか、境町の方に出没する機会が

多かった。懐かしい話ばかりでそれはそれで結構なことでは

あるがどうも満たされないみたい。地元の連中は近所なので

酒を飲みながら演歌を歌っていられるけど、車で参加している

僕は一滴も酒が飲めないでいる。だいたいエリック・クラプトン

なんかの話しが出れば「あ〜〜!そんなやつ昔いたんだよなア」

って具合で、いたって人気がない(笑)。

同窓会で良かったことと言えば中学の3年間担任だった先生と

35年振りに会えたこと。この秋に町の教育長に就任したという

ことで友人数人とお祝の花を献花したところ、義理がたく礼の

電話が掛かってきたので人足先に声だけは聴けたが、やっぱり

会えると懐かしさで一杯。

中学当時の僕はやっぱりノン気だったのか世間知らずだったのか

「高校なんかには行かない!マンガ家になるんだ!」って

言いはっていたらしく、進学を拒んでいた(笑)。

その先生は我が家に訪問してきて母に「せめて高校だけは行った

方がいいですよ。もし後で後悔するような事があったら、先生は

本気であやまりますから!」って説得した。

そんな話しを先生自身が覚えてくれていたことに驚くとともに

感激すら覚えた。その時持っていた木工オブジェの写真を先生は

「やっぱり好きなんだね〜!頑張ってね!」と言いながらもらって

くれた。教育という仕事にうらやましさを感じる。それに比べ

自分が今までやってきた職業、本当に誰かを感動させているんだろう

か?

もっと何かを思い磨けるんじゃないのだろうか?落ち込むというより

小さな勇気を得たような気がした。

同窓仲間との酒やカラオケよりも、そんな事の方が嬉しかった

同窓会だった。


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